小学校で習った計算問題、大人になってから改めて見ると、どうやって計算するのか分からなくなっていることはありませんか。
今回の問題には、2つのつまずきポイントが含まれています。間違えずに、正しく計算できるでしょうか? ぜひ挑戦してみてください。
問題
次の計算をしなさい。
1.6+1.6÷0.4
解答
正解は、「5.6」です。
あなたが出した答えと一致したでしょうか?
次の「ポイント」で計算方法を確認してみましょう。
ポイント
今回の問題のポイントは、「計算の順序」と「小数の割り算」です。
計算の順序を間違えたり、小数の割り算の計算ルールを勘違いしていたりすると、正解にたどり着けなくなります。
以下で、正しい計算方法を順に解説していきます。
計算の順序
まず、今回の問題は冒頭の1.6+1.6から計算してはいけない点に注意が必要です。
正しくは、1.6÷0.4から計算します。
1.6+1.6÷0.4
これは、足し算よりも割り算の優先順位が高いためです。
小数の割り算
では、小数の割り算から計算をしましょう。
小数の割り算では、割る数が整数になるまで桁上げをしてから計算します。
今回は、0.4が4になるよう「×10」して桁上げをします。このとき、割られる数の方も同じだけ桁上げするのがポイントです。
1.6÷0.4=1.6÷4 ×
1.6÷0.4=16÷4 〇
では、式の計算をしてみましょう。
1.6+1.6÷0.4
=1.6+16÷4
=1.6+4
=5.6
これで答えを出せましたね。
補足:小数の割り算の仕組み
小数の割り算では、なぜ「割られる数」と「割る数」の両方の桁上げをしなければならないのでしょうか。
これは、割り算を分数で表すと分かります。
割り算は「割られる数/割る数」の分数で表現できます。
1.6÷0.4なら1.6/0.4です。
分数は「分子と分母両方に同じ数を掛けても、表している数は変わらない」という特徴があります。よって、分母(割る数)を「×10」すると同時に、分子(割られる数)も「×10」すれば、表している数を変えずに済むのです。
1.6÷0.4
=1.6/0.4
=(1.6×10)/(0.4×10)
=16/4
=16÷4
まとめ
今回の問題はいかがでしたか?
足し算から計算すると不正解になりますし、「割る数」の小数点のみを移動させても正しい答えを出せません。
足し算と割り算では割り算の方が優先順位が高いこと、小数の割り算では「割られる数」と「割る数」の両方を同じ桁分だけ桁上げすること、このふたつの計算ルールを守ることで、はじめて正しい解答が得られます。
ぜひ他の小数問題にも挑戦して、計算力を試してみてください。
※当メディアでご紹介する数学関連記事においては、複数の解法をもつものもございます。 あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください
文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。
監修:堀口智之(ほりぐち ともゆき)
和から株式会社代表取締役
大人のための数学教室「和」(なごみ) 創業者
大人の数トレ教室 代表
一般社団法人ビジネス数学協会 理事
2010年に、日本で初めて「社会人専門の数学教室」を創業。講師40名、累計受講者20,000人を超えるほどに成長。日本最大級数学イベント「ロマンティック数学ナイト」の企画・創設。延べ10万人以上が参加。2022年に、youtube「大人の数トレチャンネル」を本格稼働を開始。約1年でチャンネル登録者数4万人を超えるまで成長。
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