大人になると目にする機会がとても少なくなるのが、負の数の計算問題です。負の数は、どうやって計算すればよいのか覚えていますか?
今回は「同じ負の数の足し算」に挑戦です。学生のころを思い出して、計算してみてください。
問題
次の計算をしなさい。
−11+(−11)+(−11)+(−11)
解答
正解は、「−44」です。
負の数の計算ルールを思い出せたでしょうか?
次の「ポイント」で、負の数の足し算のルールを確かめてみましょう。
ポイント
今回の問題のポイントは、「負の数の足し算は、正の数の引き算にして計算する」ことです。
具体的に言えば、負の数の足し算は次のような変換をしてから計算します。
+(−〇)=−〇
どうしてこのようになるのか不思議に感じた人は、「負の数=割引シール」だと考えてみてください。
割引シールが貼られたお惣菜の値段は、安くなりますよね。このように全体にマイナスの影響を与えるものが足されることは、正の数の引き算と同じ意味があるのです。
では、これを踏まえて今回の問題を計算してみましょう。
−11+(−11)+(−11)+(−11)
負の数を囲っている()と+を取り除き、正の数の引き算に変換します。
−11+(−11)+(−11)+(−11)
=−11−11−11−11
このあとの計算は、数直線をイメージすると分かりやすくなります。
引き算は、マイナス方向(数直線では左)への移動と考えます。今回の式では、−11の場所から出発し、左に11移動することを3回繰り返します。
すると、最後にたどり着くのは「−44」の位置になります。これが今回の問題の答えになります。
−11−11−11−11
=−22−11−11
=−33−11
=−44
別解 負の数の掛け算で計算する
この問題には別解があります。
同じ数の足し算は掛け算で表せます。例えば、3を4回足すこと(3+3+3+3)は、3×4と表せます。
今回の問題では−11を4回足しているので、−11×4です。
−11+(−11)+(−11)+(−11)
=−11×4
=−44
「異符号どうしの掛け算は負の数になる」というルールがあるので、「負の数×正の数」である「−11×4」の答えは負の数になり、「−44」となります。
足される数が多いときは、こちらの方法を使うと速く計算ができるでしょう。
まとめ
今回は、負の数の足し算に挑戦しました。
負の数の足し算は、正の数の引き算に変換して計算できます。ただし、今回のように同じ数を何度も足している場合は、掛け算にして計算してもよいでしょう。
他にも負の数が登場する問題に挑戦してみてくださいね。
※当メディアでご紹介する数学関連記事においては、複数の解法をもつものもございます。 あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください
文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。
監修:堀口智之(ほりぐち ともゆき)
和から株式会社代表取締役
大人のための数学教室「和」(なごみ) 創業者
大人の数トレ教室 代表
一般社団法人ビジネス数学協会 理事
2010年に、日本で初めて「社会人専門の数学教室」を創業。講師40名、累計受講者20,000人を超えるほどに成長。日本最大級数学イベント「ロマンティック数学ナイト」の企画・創設。延べ10万人以上が参加。2022年に、youtube「大人の数トレチャンネル」を本格稼働を開始。約1年でチャンネル登録者数4万人を超えるまで成長。
類似問題に挑戦!