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2025年も大躍進の予感…!声優としても高い評価、目覚ましい活躍の“大人気俳優”を深堀り

  • 2025.1.30

現実主義の女性弁護士と理想主義の新人弁護士という真逆の2人がバディを組んで、恋愛トラブルを解決するために裁判に挑む、川口春奈と松村北斗共演の、法廷から始まるリーガルラブストーリー『アンサンブル』。1月18日から放送がスタートした本作で、明るく実直で、ポジティブな行動派の弁護士・真戸原優を演じている松村。2010年代から俳優業を開始した彼は、すぐに頭角を現し、2020年代に入ってからは主演作が増え、俳優として目覚ましい活躍を見せている。

ヒロインも視聴者もときめかせる好演

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『アンサンブル』(C)日本テレビ

過去の恋愛で傷つき、トラウマを抱える小山瀬奈(川口春奈)は、恋愛に時間を割くよりも、コスパ・タイパを重視する弁護士として仕事をこなしている。ところが、そんな瀬奈の前に愛や真心を強く信じる理想主義の弁護士・真戸原が現れ、現実主義の瀬奈の心に爽やかな風を吹かせ始める。やがて同じ法律事務所でバディを組むことになった2人は、一緒に仕事をするうちに急接近していく。

真戸原をキュートに演じる松村は、とても輝いていて、見ているだけで笑顔になれるようなキャラクターを好演している。踏切の音を怖がる瀬奈の耳を優しく両手で覆う真戸原の仕草には、瀬奈と一緒に思わずときめいてしまった。今後の2人の関係や恋の行方に注目したい。

スタートから大活躍となった俳優業

2012年、後にSixTONESのメンバーとなる森本慎太郎、京本大我、田中樹、ジェシー、髙地優吾と共に『私立バカレア高校』に出演し、俳優のキャリアをスタートさせた松村は、同年の『黒の女教師』で生徒役の“一番手”という準主役に抜擢され、存在感を発揮。さらに、『Piece』にも出演し、ドラマ三昧の年となった。

『TAKE FIVE〜俺たちは愛を盗めるか〜』(2013年)へのゲスト出演や、『ぴんとこな』(2013年)、『SHARK』(2014年)などのドラマ出演を経て、2018年の映画『坂道のアポロン』にオーディションを受けて出演。1960年代が舞台の本作で、松村は役作りとして当時流行のマッシュルームカットにし、劇中、歌を披露している。

筆者が、特に松村を俳優として意識したのは、2019年の『パーフェクトワールド』。松坂桃李と山本美月がW主演を務めたこのドラマで、松村は松坂が演じる主人公と同様、車椅子の生活をしながらバスケットボールに励むキャラクターを好演。役作りのために、初めて髪を茶色く染め、幼い雰囲気の明るい好青年に扮した。当時、本作の番宣で出演したバラエティ番組で、主演の松坂から「ほっくん」と呼ばれ、親しい様子を見せていたのも印象的だった。

2021年は朝ドラ出演で注目の的に

2020年に出演したドラマ『10の秘密』ではピアニストの役を熱演し、『一億円のさようなら』では上川隆也扮する主人公の青年時代を演じた松村。

2021年、松村はNHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』で、上白石萌音が演じるヒロイン・安子の夫・稔を演じ、視聴者の心を鷲掴みにした。本作で全国的に注目を集めた松村は、「稔さんを演じているのはSixTONESというグループのメンバーだったのか」と、それまで彼を知らなかった層の間でも話題となり、アイドル活動と俳優業の両方で認知度を高めることとなった。

さらに同年、森七菜とW主演の『ライアー×ライアー』、『劇場版「きのう何食べた?」』という2本の出演映画が公開。2021年は松村にとって、俳優として飛躍の年になったのではないだろうか。

演技派俳優への道を驀進中

その後も、『恋なんて、本気でやってどうするの?』(2022年)、『ノッキンオン・ロックドドア』(2023年)、『西園寺さんは家事をしない』(2024年)といったドラマや、『ホリック xxxHOLiC』(2022年)、『キリエのうた』(2023年)、『ディア・ファミリー』(2024年)などの映画で、作品ごとに違うタイプの役柄に挑戦し、引っ張りだこの人気俳優となった松村。

中でも、『カムカムエヴリバディ』で共演した上白石萌音とのW主演映画『夜明けのすべて』(2024年)での、パニック障害を抱える青年を体現した演技は高く評価され、より演技の幅を広げた。今では、「松村北斗が出演しているなら観てみたい!」と思わせるほど、演技派俳優としての地位を確立してきていると言っても過言ではないと思う。

声優としても高い評価を受ける

海外でも評価の高いアニメ映画『すずめの戸締まり』(2022年)で、声優に初挑戦した松村。オーディションで新海誠監督が松村の声を気に入り、“災い”をもたらす扉を閉めることを使命とする「閉じ師」の青年役を獲得した彼は、アニメーション界のアカデミー賞とも呼ばれるアニー賞で長編作品部門の声優賞にノミネートされた。

松村の声はとても聞き心地が良く、『アンサンブル』でも彼が演じる真戸原の優しい声や話し方は、これからきっと瀬奈の心を溶かしていくきっかけの1つになると想像できる。

2025年の活躍にも期待

2025年も大躍進が期待できる松村。2月7日からは、松たか子と共演するラブストーリー『ファーストキス 1ST KISS』が公開となり、秋には新海監督のアニメ映画が原作の実写映画『秒速5センチメートル』が公開予定。後者は、まだ松村が主演することしか発表されていないが、すでに大きな話題となっている。

本年も、ドラマ『アンサンブル』では川口、映画『ファーストキス 1ST KISS』では松という、人気の高い女優と共演し、観る者を引き付けるケミストリーを作り出している松村。ぜひ、単独主演作でも名演技を見せ、観客を魅了してほしい。その日が待ち遠しい限りだ。



日本テレビ系『アンサンブル』

ライター:清水久美子(Kumiko Shimizu)
海外ドラマ・映画・音楽について取材・執筆。日本のドラマ・韓国ドラマも守備範囲。朝ドラは長年見続けています。声優をリスペクトしており、吹替やアニメ作品もできる限りチェック。特撮出身俳優のその後を見守り、松坂桃李さんはデビュー時に取材して以来、応援し続けています。

X(旧Twitter):@KumikoShimizuWP