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3年前のNHK朝ドラが再び話題に…人気アイドルからベテラン俳優まで3人の“お相手”たちを深掘り!

  • 2024.12.25

現在再放送され、再び話題を呼んでいる、2021年度後期の朝ドラ『カムカムエヴリバディ』。ヒロインを上白石萌音、深津絵里、川栄李奈の3人がリレー方式で演じ、祖母・母・娘の親子三代100年のファミリーストーリーが描かれた本作は、幅広い視聴者から好評を博した。また、3人それぞれのラブストーリーと、夫や恋人を演じた俳優たちも常に話題の的になったことでも印象深い。今回は、ヒロインの三人三様の相手について深掘りしてみよう。

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『カムカムエヴリバディ』第3週(C)NHK

NHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』は、脚本家・藤本有紀によるオリジナル作品で、京都・岡山・大阪を舞台に、ラジオ英語講座と共に歩んだヒロインたちの物語。1925年から始まり、昭和・平成・令和まで100年間の出来事が綴られている。

1人目のヒロイン、安子の夫・稔を演じた松村北斗

菓子屋の娘として育った安子(上白石萌音)は、店番をしている時に菓子を買いに来た稔(松村北斗)と出会う。安子が外国人に英語で道を尋ねられて困っている際に流暢な英語で対応した稔に、安子は憧れの眼差しを向け始める。稔からラジオの英語講座を薦められた安子は、熱心に英語を学び始め、稔との距離が縮まっていく。

お互いを想い合うようになった安子と稔だが、戦時下のそれぞれの家庭の事情から、安子は彼のことを諦めようとし、独り列車の中で泣いていた。そこへ稔が現れ、「何で泣いてるん? 何があったん?」と、安子に優しく問いかけた。いるはずのないところに現れた稔に、安子も視聴者も驚いたが、彼女を心配して追ってきた稔の行動は感動を呼び、本作の中でこのシーンが一番好きだという視聴者が続出。その後、2人は紆余曲折を経て結婚するが、稔は約1カ月後に出征することに。稔の出征後、安子は妊娠していることが発覚。

稔は、将来生まれてくる子のために、「男でも女でも、日本でも外国でも通用する名前」を考えておいてくれていた。稔と安子の思い出の曲「On the Sunny Side of the Street」の歌詞のように、「日向の道を歩いてほしい」という願いを込め、この曲を歌唱するルイ・アームストロングから「るい」という名前を用意していた稔。

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『カムカムエヴリバディ』第3週(C)NHK

非常に残念なことに、稔は戦場から帰らぬ人となったが、優しくて愛情深く、紳士的で非の打ちどころのない夫だった。“朝ドラ史上最も素敵な夫”と言っても過言ではない稔を演じた松村は、SixTONESのメンバーであり、俳優として数々のドラマや映画で活躍し、アニメ映画『すずめの戸締り』では声優も務めている。2024年はドラマ『西園寺さんは家事をしない』、映画『ディア・ファミリー』などに出演し、映画『夜明けのすべて』には『カムカムエヴリバディ』で安子を演じた上白石と共にW主演。2025年も、『1ST KISS ファーストキス』『秒速5センチメートル』といった公開待機作があり、今後も素敵な演技を見せてくれるに違いない。

2人目のヒロイン、るいの夫・錠一郎を演じたオダギリジョー

安子の娘・るい(深津絵里)は、誤解から母に捨てられたと思い込み、父・稔の実家で暮らして成長していく。高校を中退して独立し、大阪のクリーニング店に住み込み、働き始めたるいは、常連客だが名前を名乗らない謎の男を「宇宙人」と密かに名付けて観察していたところ、彼はジャズ喫茶で演奏するトランペッターの錠一郎(オダギリジョー)だと知る。

錠一郎が「On the Sunny Side of the Street」をトランペットで吹いているのを聞いたるいは、どこか懐かしい感覚を覚える。この曲が2人をつなぎ、錠一郎はるいをルイ・アームストロングの愛称である「サッチモ」ちゃんと呼ぶようになり、親しくなっていく。ところが、錠一郎は原因不明の病気でトランペットが吹けなくなってしまい、るいはそんな彼を支え続けることを決意。錠一郎に「あなたと2人で日向の道を歩きたい」と告げ、2人は結婚する。その後、回転焼き屋をオープンし、ルイは店を切り盛りするが、錠一郎は調理も接客も失敗ばかりで、“働かない夫”のようになってしまう。だが、子どもが生まれると“いいパパ”となり、るいは彼に不満を持つことなく、仲の良い夫婦として、家族で楽しく暮らしていく。

誤解から生じた母・安子との確執を抱え、つらい少女期を過ごしたるいだが、錠一郎は彼女を笑顔にし、幸せな家庭生活をもたらした。飄々とした雰囲気で、そこにいるだけで周囲を明るくする錠一郎を好演したオダギリは、演技派俳優として知られ、『マイウェイ 12,000キロの真実』など海外の映画でも活躍。ドラマ『オリバーな犬、 (Gosh!!) このヤロウ』では、監督・脚本・編集・出演を兼任するなど多才ぶりを発揮している。本シリーズは、2025年に映画版が公開予定だ。

3人目のヒロイン、ひなたの恋人・文四郎を演じた本郷奏多

るいと錠一郎の長女として誕生したひなた(川栄李奈)は、両親が大好きな曲「On the Sunny Side of the Street」から名付けられた。錠一郎の影響で時代劇ファンになったひなたは、「条映太秦映画村」にちょくちょく足を運び、そこで出会った外国人少年に一目惚れをする。それをきっかけに、ラジオの英語講座で勉強し始めるが、彼が回転焼きを買いに来た際に英語で話すことができず、初恋はあえなく終わってしまう。そんなひなたは、母・るいが店を切り盛りしながら英語講座を聞き続けていて、英語が堪能だと知る。

ある日、ひなたが店番をしている時に、文四郎(本郷奏多)が回転焼きを買いに来るが、彼女が回転焼きを焼けないことを馬鹿にするなど、最悪な出会いを果たす。実は、彼は駆け出しの大部屋俳優で、ひなたが「ミス条映コンテスト」に出場した際、演技審査の相手役を担当。コンテストに落選したひなたは、文四郎と顔を合わせればいがみ合っていたが、2人とも時代劇の大ファンだと分かり、ケンカ友達のようになっていく。ひなたは高校卒業後に、条映に入社。文四郎が役者一筋で頑張っている姿を見て、彼を応援するようになり、2人は交際へと発展する。7年付き合っていたが、文四郎は大部屋俳優から出世できず、主演俳優に暴言を吐いたことをきっかけに干されてしまう。そして、一度は結婚まで考えたひなたに別れを告げて、去っていった。

ひなたの20代、そして結婚適齢期を奪ったような形になった文四郎。視聴者からも非難囂囂で、“朝ドラヒロインの夫”になりそうでならなかった本郷に注目が集まった。文四郎を演じた本郷は、漫画の実写化作品での演技が大評判だが、漫画が大好きだという彼は、原作へのリスペクトが高いからこそ、秀逸にキャラクターを再現し、観客からの指示を集めているのだろう。映画『進撃の巨人』シリーズや『鋼の錬金術師』シリーズでの快演も見事だった本郷は、2024年は大河ドラマ『光る君へ』で花山天皇に扮し、視聴者を圧倒。2025年の活躍も楽しみだ。



NHK 連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』毎週月曜から金曜 午後0時30分から0時45分
1日1話ずつ再放送中
NHKプラスで見逃し配信中

ライター:清水久美子(Kumiko Shimizu)
海外ドラマ・映画・音楽について取材・執筆。日本のドラマ・韓国ドラマも守備範囲。朝ドラは長年見続けています。声優をリスペクトしており、吹替やアニメ作品もできる限りチェック。特撮出身俳優のその後を見守り、松坂桃李さんはデビュー時に取材して以来、応援し続けています。
X(旧Twitter):@KumikoShimizuWP