二桁×二桁の式を見たとき、あなたならどうやって計算しますか?
電卓、それとも筆算を使って答えを出そうとするでしょうか?
実は、あるルールに当てはまる二桁の掛け算なら、秒で答えが出せてしまいます。
今回の問題に挑戦して、二桁×二桁の答えがすぐに出せる暗算方法を確認してみましょう。
問題
次の計算をしてください。
22×28
※制限時間は5秒です。
解答
正解は、「616」です。
筆算なしに答えを出すのは難しかったという人は、ぜひ次の「ポイント」で暗算方法を確認してください。
ポイント
この問題のポイントは、「インド式計算法を使うこと」です。
日本人には難しく見える問題が秒で計算できるインド式計算法には、さまざまなバージョンがあります。
今回紹介するのは、「十の位が同じで、一の位を足すと10になる二桁の数どうしの掛け算」です。
この条件に当てはまる掛け算なら、次の三ステップで答えが出せます。
- 一方の十の位に1を足した上で、両方の一の位の数を0として計算する
- 一の位どうしを掛け算する
- 1と2の答えを足す
では、今回の問題でこの計算法を試してみましょう。
- 20×30=600
- 2×8=16
- 600+16=616
びっくりするぐらい簡単に答えが出ましたね。
インド式計算法が成り立つ理由
このような計算法が成り立つ理由は、長方形の面積を考えることで分かります。
まず、掛け算を「縦×横」の面積を計算する式ととらえます。22×28は、縦22、横28の長方形の面積を求める式です。この長方形の下部分を縦横20のところで切りとります。
次に、この切り取った部分を90度回転させて長方形の横に配置します。
これで縦22、横28の長方形は、縦20、横28+2=30の大きな長方形(下図の黄色い長方形)と、縦2、横8の小さな長方形(下図のピンクの長方形)に変形されました。
大きな長方形の面積は20×30=600、小さな長方形の面積は2×8=16なので、足し合わせれば616になります。
大きな長方形の面積を計算する過程はインド式計算法のステップ1に、小さな長方形の面積を計算する過程はステップ2に対応しています。
このように長方形を変形することで、インド式計算法が成り立つ理由が分かります。
まとめ
今回の問題では、二桁×二桁の暗算に挑戦しました。
「十の位が同じで、一の位を足すと10になる二桁の数どうしの掛け算」には、この問題で紹介したインド式計算法が使えます。この特徴に当てはまる二桁×二桁の式を見たら、ぜひ試してみてください。
インド式計算法が気になるという方は、ぜひ他の問題にもチャレンジしてみてください。
※当メディアでご紹介する数学関連記事において、複数の解法をもつものもございます。 あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。
文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。
監修:堀口智之(ほりぐち ともゆき)
和から株式会社代表取締役
大人のための数学教室「和」(なごみ) 創業者
大人の数トレ教室 代表
一般社団法人ビジネス数学協会 理事
2010年に、日本で初めて「社会人専門の数学教室」を創業。講師40名、累計受講者20,000人を超えるほどに成長。日本最大級数学イベント「ロマンティック数学ナイト」の企画・創設。延べ10万人以上が参加。2022年に、youtube「大人の数トレチャンネル」を本格稼働を開始。約1年でチャンネル登録者数4万人を超えるまで成長。