割り算の問題は、必ず割り切れるとは限りません。割り切れそうに見える問題でも、いざ筆算をしてみると、いつまでも計算が終わらないケースもあります。
しかし、ある方法を使うと、このような面倒な割り算の答えが一瞬で出てしまいます。
今回の問題に挑戦して、その方法を確かめてみましょう。
問題
次の計算をしてください。
17÷111
※制限時間は3秒です。
解答
正解は、「17/111」です。
小数で答えを出そうとした人にとっては、だまされたように感じる答えだったかもしれません。
では、この問題の「ポイント」を確認してみましょう。
ポイント
この問題のポイントは、「割り算の答えを分数で表す方法」です。
割り算の答えは、小数でも分数でも表すことができます。
小数で答えるには、筆算を使って計算するのが一般的ですが、問題によっては割り切れない場合もあります。
今回の問題も割り切れないので、小数で答えようとすると以下のように計算がいつまでたっても終わりません(※)。
17÷111=0.153153153...
※小数点以下には153という三桁の数字が繰り返し現れます。このような小数を循環小数といい、同じ数字の組み合わせが際限なく繰り返されるのが特徴です。
割り切れない割り算の計算を切り上げるには、余りを出す、途中で四捨五入するなどの方法をとる必要があります。しかし、この問題では割り切れないときの答えの処理方法がまったく書かれていません。また、17÷111は計算自体がややこしいため、割り切れない計算であると判明するまでに時間がかかり、3秒以内の解答はとても無理だと分かります。
そこで、分数で答えを出せないかを考えてみましょう。
割り算の答えを分数で出す方法はとても簡単で、割り算を「割られる数/割る数」の形にするだけです。
今回の問題でいえば、次のようになります。
17÷111
=17/111
これなら3秒以内でも十分答えを出せるでしょう。ただし、約分ができないことを確認しておきましょう。
まとめ
今回の問題はいかがでしたか?
「割り算は小数で答えるもの」というイメージにとらわれていると、制限時間内に答えを出すことはできなかったでしょう。ぜひ、割り算のもう一つの答え方、「割られる数/割る数」の分数の形を覚えてください。割り算を小数、分数の二つの形で表せるようになることで、計算の工夫もしやすくなります。
他にもさまざまな計算問題を用意しているので、挑戦してみてくださいね。
※当メディアでご紹介する数学関連記事においては、複数の解法をもつものもございます。 あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。
文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。
監修:株式会社カルチャー・プロ(公式HP / インスタグラム)
「誠実なモノづくり」を信条とし、高い専門性を有する編集者が幼児から大人向けまで幅広い年代に向けての学習教材を制作する編集プロダクション。家庭や学校、塾などで日々使われている教材だけでなく各種テストや教養系の一般書などを制作。社会や教育を取り囲む環境の変化に対応するため、新しい技術にも着目し、教育業界の未来も模索しながら、下支えしている会社。社内はフラットに意見が言い合える雰囲気で、パートナー、クライアントからの信頼も厚い。
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