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大人が意外と解けない数学「20÷(−5)×(1+7/8)÷(8+3/4)」←正しく計算できる?

  • 2024.11.23
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普段計算には電卓を使っている人は多いでしょう。しかし、電卓では上手く計算できない式もあります。

例えば負の数の四則演算や分数の計算式です。式の先頭からそのまま数字を入力しただけでは、間違った答えが出てきてしまうことがあります。

今回の問題もそんな式の一つです。さて、あなたは正しい答えを出せるでしょうか。

問題

次の計算をしてください。
20÷(−5)×(1+7/8)÷(8+3/4)

解答

正解は、「−6/7」です。

今回の問題、負の数と帯分数が入り乱れて、とてもややこしい式に見えたかもしれません。

次の「ポイント」で計算方法をステップごとに解説しています。途中で混乱してしまった人はぜひご覧ください。

ポイント

この問題のポイントは、「すべての数を仮分数にして掛け算すること」です。

今回の式がややこしく見えるのは、負の数の整数と帯分数がごちゃっと混ざっているからです。

20÷(−5)×(1+7/8)÷(8+3/4)

そこで、整数も帯分数も仮分数の形に統一してみましょう

まず、用語を整理してください。

仮分数:分子が分母より大きいか等しい分数のこと 例 3/2
真分数:分子が分母より小さい分数のこと 例 1/7
帯分数:整数と真分数で表された分数のこと 例 1+1/2

まずは、冒頭の負の数の整数を仮分数に直します。分母を1とし、分子に整数の数をそのまま書けばよいだけなので、とても簡単です。

20÷(−5)×(1+7/8)÷(8+3/4)
=20/1÷(−5/1)×(1+7/8)÷(8+3/4)

次に帯分数の1+7/8と8+3/4を仮分数にします。帯分数を仮分数の形にするには、「整数×隣の分数の分母」を「隣の分数の分子」に足します。

1+7/8
=(1×8+7)/8
=15/8

8+3/4
=(8×4+3)/4
=35/4

これで、式内の数字を仮分数に統一できました。

20/1÷(−5/1)×15/8÷35/4

さて、今回の式は割り算と掛け算で構成されています。実は、割り算は掛け算に変換できますので、この式はすべて掛け算として表わせるのです。

式をすべて掛け算にすると、複数の分子の掛け算、複数の分母の掛け算の中の中から共通の約数を探せるので、約分(分子と分母を同じ数で割ること)がしやすくなります。

さっそくやってみましょう。まずは、割り算を掛け算に直します。割り算を掛け算にするには、割る数の分子と分母を逆にして掛ければOKです。

20/1÷(−5/1)×15/8÷35/4
=20/1×(−1/5)×15/8×4/35

後は分数の掛け算ルールに従い、分子どうし、分母どうしを掛け合わせます。このとき、約分できるところがあれば、掛け算の前に約分してしまいましょう。

20/1×(−1/5)×15/8×4/35
={20×(−1)×15×4}/(1×5×8×35)←約分する※
={1×(−1)×3×2}/(1×1×1×7)
={1×(−1)×3×2}/7

※約分の過程は次の画像で確認してください。

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あと少しで答えが出るところですが、最後に分子の−1の扱いについて考えてみましょう。

掛け算では同符号どうしの掛け算は正の数、異符号どうしの掛け算は負の数になります。

例 −4×(−4)=+16(負の数×負の数)
−4×4=−16(正の数×正の数)

これを踏まえて、分子の計算を左からしていくと次のようになります。

{1×(−1)×3×2}/7←正の数×負の数
=(−1×3×2)/7←負の数×正の数
=(−3×2)/7←負の数×正の数
=−6/7

これで答えが出ましたね。

まとめ

今回は、負の数と帯分数の計算問題に挑戦しました。

負の数も帯分数も仮分数に統一することで、一気に計算し、効率的に約分ができるようになりましたね。

整数や帯分数を仮分数に直す方法はぜひ覚えておきましょう。また、同符号どうしの掛け算は正の数に、異符号どうしの掛け算は負の数になるという計算ルールも大事です。

このようなルールに慣れるには、さまざまな計算の中で使い方を確認していくとよいでしょう。ぜひ他の問題にも挑戦してみてください。

※当メディアでご紹介する数学関連記事において、複数の解法をもつものもございます。 あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。



文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。