問題の中には、工夫することで計算にかかる時間を大きく削減できるものがあります。
どのような工夫をしたらよいかひらめくコツは、式をよく見てその特徴をつかむことです。
さて、今回の問題、あなたはどうやって計算しますか?
問題
次の計算をしてください。
7+7−7×7÷7
解答
正解は、「7」です。
7だらけの問題でしたが、正解も7でしたね。
計算過程を知りたい方は、次の「ポイント」をご覧ください。
ポイント
この問題のポイントは、「同じ数を繰り返し使っていること」です。
実はこの問題、ほとんど計算しなくても答えが7だと分かるのです。
「どうしたら簡単に答えが出せるのか」という話をする前に、まずは普通バージョンの計算過程を見てみましょう。
普通バージョンで答えを出す
まず、普通に計算して答えを出してみましょう。
7+7−7×7÷7
計算のルールでは、掛け算や割り算は足し算や引き算よりも優先されます。
よって、この問題で最初に計算すべき場所は7×7の掛け算部分です。次に÷7の割り算をしてから、冒頭の足し算に戻ります。
では、やってみましょう。
7+7−7×7÷7
=7+7−49÷7
=7+7−7
=14−7
=7
これで答えが出ましたね。
ショートカットバージョンで答えを出す
次に、ほとんど計算をしないショートカットバージョンの解説をします。
まず、掛け算と割り算の両部分に注目します。
7+7−7×7÷7
掛け算をした後に、その掛け算で使った数で割り算をすると、答えは掛け算のもう一方の数になります。
例えば、2×3÷3の答えは2、5×4÷5の答えは4です。
こう考えると、7×7÷7の答えは7×7をわざわざ計算せずとも7だと分かります。
7+7−7×7÷7
=7+7−7
次に注目すべきは7−7の部分です。同じ数から同じ数を引いているので、答えは当然0になります。
では、先に7−7を計算した場合の流れを見てみましょう。
7+7−7
=7+0
=7
7+7の計算を回避して答えを出すことができました。
計算の順番を勝手に変えてよいのか気になる人もいるかもしれませんが、7+7−7=7+7+(−7)と考えると足し算の結合法則が使えるので問題ありません。
<結合法則>
足し算や掛け算では順番を変えて計算しても答えは同じという法則
例:2+3+4=4+3+2=9
なお、−7を+(−7)とするところには、以下の計算ルールが使われています。
<負の数の足し算>
負の数の足し算は引き算と同じ(引き算は負の数の足し算と同じ)
+(−■)=−■
−7が+(−7)と同じになることがイマイチ理解できないという人は、次の負の数の問題を見てください。
まとめ
今回の問題はいかがでしたか?
同じ数ばかりで構成されているという式の特徴をうまく使うことで、より簡単に答えを出せます。できるだけ計算を回避すれば、計算ミスを起こすリスクも軽減できますよ。
他にも様々な問題を用意していますので、どうやって計算したらよいのか考えながら計算してみてくださいね。
※当メディアでご紹介する数学関連記事において、複数の解法をもつものもございます。 あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。
文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。
監修:堀口智之(ほりぐち ともゆき)
和から株式会社代表取締役
大人のための数学教室「和」(なごみ) 創業者
大人の数トレ教室 代表
一般社団法人ビジネス数学協会 理事
2010年に、日本で初めて「社会人専門の数学教室」を創業。講師40名、累計受講者20,000人を超えるほどに成長。日本最大級数学イベント「ロマンティック数学ナイト」の企画・創設。延べ10万人以上が参加。2022年に、youtube「大人の数トレチャンネル」を本格稼働を開始。約1年でチャンネル登録者数4万人を超えるまで成長。
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