掛け算は、計算式の数が大きくなればなるほど、計算過程が複雑になるものです。三桁×三桁の計算は筆算でも手間がかかる計算ですので、できれば電卓を使いたいという人も多いのではないでしょうか。
しかし、三桁どうしの掛け算でも、計算式によっては筆算なしで答えを出せることがありますよ。
では今回の問題、どうやって計算すればよいでしょうか?
問題
次の計算問題を筆算なしで解いてください。
233×506
解答
正解は、「117898」です。
とても大きな答えなので、筆算なしで計算するのは難しそうですが……。
どうやって計算すればよいのか、次の「ポイント」で確認してみましょう。
ポイント
この問題のポイントは、「各桁の答えをバラバラに出すこと」です。
日本の筆算では、掛けられる数に対し、掛ける数を一桁目から順に掛けていき、最後に合計を出します。
しかし、三桁×三桁の計算は、次のような形で計算すれば、各桁ごとに答えを出せるのです。
※各桁の答えが10以上になる場合は、上の位に数字を繰り上げます。
この方法は、インド式計算法の一種として知られています。
一見ややこしく見えるのですが、今回の問題のように十の位が0の三桁×三桁の掛け算では、この計算方法がとても便利です。
掛ける数の十の位であるeが0だと、千の位、百の位、十の位の計算がシンプルになるからです(233×506の数字を、それぞれabc×defとします)。
では、実際にやってみましょう。
233と506を筆算のように縦に並べてから、各位ごとに計算していきます。
計算中に繰り上がりがあったときは、次の桁に繰り上げた数字を足していきましょう。そうすると、最終的に「117898」という解答にたどり着けますよ。
まとめ
今回の問題では、三桁×三桁の掛け算のちょっと変わった解法をご紹介しました。
一見複雑に見えますが、慣れてくると、日本式の筆算で計算するよりも簡単に計算できますよ。特に、十の位が0の掛け算と出会ったら、ぜひ試してみてくださいね。
この他にもインド式計算法を使った問題を用意しています。興味のある人は、挑戦してみましょう。
※当メディアでご紹介する数学関連記事においては、複数の解法をもつものもございます。 あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。
文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。
監修:株式会社かえでプロダクション(公式HP)
「編集技術で過去と未来をつなぐ」小学生・中学生・高校生の学習用教材を執筆・編集・校正する編集専門のプロダクション。英語・算数/数学・国語・理科・社会の主要5科目のテキストやドリル、テストや模試、デジタル系の教材など幅広く制作。教材からできる教育を目指し、教育業界を支える会社。会社独自の福利厚生が充実しており、社員が働きやすい環境を整え、新しい働き方で第三者機関から認定を受けている。
掛け算の問題にもう一問挑戦!