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大人が意外と間違える算数「43×43」→暗算できる?

  • 2024.9.22
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「二乗」とは同じ数や同じ式どうしを掛けることです。

簡単な数字の二乗は計算も楽ですが、数が大きくなるほど難しくなってきます。

二桁の数の二乗は筆算なしでは計算できないと思われがちですが、アプローチの仕方次第では暗算することが可能です。

今回の問題で、暗算するための方法を確認してみましょう。

問題

次の計算を暗算でしてください。
43×43

解答

正解は、「1849」です。

どうしても筆算したくなってしまう、そんな人は次の「ポイント」を確認してください。

暗算するためのポイントを解説していますよ。

ポイント

この問題を暗算するポイントは、「乗法公式を利用すること」にあります。

結論から言いますと、次の計算手順を使うと簡単に二乗の掛け算が出来ます。

手順1:40を2乗する→40×40=1600
手順2:一の位の3を2倍して、40を掛けた240を1600と足す 1600+240=1840
手順3:一の位3の二乗=9を手順2の答えと足す 1849

43を40と3に分け、簡単な掛け算と足し算をするだけで、答えが出ました。

でも、どうしてこのような手順で答えが出るでしょうか。背景には乗法公式があります。

乗法公式を使って二乗計算を楽に

乗法公式とは、式を展開するときに使う公式のことです。

乗法公式にはいくつかの種類がありますが、今回は次の式を使います。

(x+a)^2=x^2+2ax+a^2
※文字式なので掛け算の×記号は両略されています。

左辺と右辺がどうして同じになるのか分からないという人は、式の展開過程を確認してみましょう。

(x+a)^2
=(x+a)(x+a)
=x(x+a)+a(x+a)←(x+a)をひとかたまりにして分配法則を使う
=x^2+ax+ax+a^2
=x^2+2ax+a^2

さて、先に紹介した計算手順とこの乗法公式を比べてみてください。

(x+a)^2=x^2+2ax+a^2

x=40、a=3とします。

(40+3)^2=40^2+2×3×40+3^2

40を2乗する手順1はx^2に、一の位の3×2×40の手順2は2axに、一の位3を二乗する手順3はa^2に対応していますよね。

筆算との一致も確かめておこう

なお、この計算手順は筆算の計算過程とも一致しています。

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上の画像を見てみると、各手順が筆算の中にも表れていることが分かります。

まとめ

今回の問題はいかがでしたか?

乗法公式を利用することで、筆算を使わずとも二乗の計算ができました。特に数学では数を二乗する機会がよく訪れます。スピーディーに計算できる方法を知っておくと、とても便利ですよ。

工夫次第で計算の労力が変わる驚きを味わいたい人は、ぜひ他の問題にも挑戦してみてくださいね。



文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。


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