算数で習う分数と小数は、どちらも整数ではない数を表すことができます。
では、この二つの数が一緒の式に表れたとき、どう計算すればよいか分かるでしょうか?
今回の問題に挑戦して、計算方法を確かめましょう。
問題
次の計算をしてください。
5/12×0.6+1/4−(−0.5)
解答
正解は「1」です。
ややこしい式に見えましたが、答えはすっきりした数になりましたね。
では、どうやって計算すればこの答えが出るのでしょうか?
次の「ポイント」で確認してください。
ポイント
この問題のポイントは「小数を分数に変換して計算すること」です。
分数と小数が含まれた式には、二種類の計算方法があります。
一つは式を分数に統一する方法で、もう一つは式を小数に統一する方法です。
冒頭でもふれたように、分数と小数はどちらも整数ではない数を表すことができます。
よって、分数を小数に、あるいは小数を分数に変換することが可能です。
それぞれの変換方法は次の通りです。
小数を分数にする方法→分母を10の倍数とした分数に変換
例:0.3=3/10 0.07=7/100
分数を小数にする方法→分子÷分母を計算して変換
2/5=2÷5=0.4
ただし、一つ注意点があります。分数を小数にする手順では割り算が行われますが、割り切れない場合は無限小数(無限に続く小数)になってしまうのです。
例:1/3=1÷3=0.3333......
では、改めて今回の問題を見てみましょう。
5/12×0.6+1/4−(−0.5)
冒頭の5/12を小数にしようとすると5÷12を計算することになりますが、その答えは0.4166......と無限小数になります。
これでは計算がしづらいですね。
よって、今回の問題は、分数に統一して計算していきます。
では、式の中の小数を分数に変換しましょう。
5/12×0.6+1/4−(−0.5)
=5/12×6/10+1/4−(−5/10)
これで計算しやすくなりました。
では、今回の式に必要な計算ルールを確認しておきましょう。
・分数の掛け算→分子と分母をそれぞれ掛け合わせる。約分できるときは計算の途中で約分する。
・分数の足し算→分母をそろえて分子どうしを足す。
・負の数の引き算→負の数の引き算は足し算として計算する。→−(−〇)=+〇
まずは、冒頭の分数の掛け算から計算をします。計算途中で約分するのが、計算を楽にするポイントです。
5/12×6/10+1/4−(−5/10)
=(5×12)/(6×10)+1/4−(−5/10)
=1/4+1/4−(−5/10)
次は分数の足し算です。
1/4+1/4−(−5/10)
=1/4+1/4−(−5/10)
=2/4−(−5/10)←2/4を約分する
=1/2−(−5/10)
最後は負の数の引き算です。
1/2−(−5/10)
=1/2+5/10←負の数の引き算は足し算に変換
=1/2+1/2←5/10を約分
=1/2+1/2
=2/2
=1
これで答えが出ましたね。
まとめ
今回の問題はいかがでしたか?
分数と小数が混ざった問題は、小数か分数どちらかに統一して計算します。
問題によっては、小数に統一した方が早く計算できるものもありますが、分数が無限小数になってしまうリスクを考えると、万能なのは小数を分数にして計算する解法です。
また、問題文で答えの形式を分数もしくは小数と指定されていたら、指定された形式に統一してから計算しましょう。
他にも分数と小数を扱った問題はたくさんあります。ぜひ挑戦してみてくださいね。
文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。
監修:株式会社かえでプロダクション(公式HP)
「編集技術で過去と未来をつなぐ」小学生・中学生・高校生の学習用教材を執筆・編集・校正する編集専門のプロダクション。英語・算数/数学・国語・理科・社会の主要5科目のテキストやドリル、テストや模試、デジタル系の教材など幅広く制作。教材からできる教育を目指し、教育業界を支える会社。会社独自の福利厚生が充実しており、社員が働きやすい環境を整え、新しい働き方で第三者機関から認定を受けている。
分数と小数が混ざった計算にもう一問挑戦!