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「雑魚キャラ」のつもりが「超重要キャラ」へ【ONE PIECE 考察】10人目の仲間はだれ?

  • 2024.10.3
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『ONE PIECE(ワンピース)』が最終章に突入してはや2年が経過した。しかし、この世界の謎はまだまだ底が見えない。原作マンガ単行本では天才科学者Dr.ベガパンクが登場する『エッグヘッド編』が佳境に差し掛かりルフィたちの戦いが激しさを増す一方で、世界中で大きな動きが起きており、物語のスケールは一段と大きくなってきている。

『ワンピース』最大の謎は何か、それはやはり、この世界の成り立ちに関わる「空白の100年」に何があったのか、ではないだろうか。グランドラインの果ての島「ラフテル」も、おそらくその謎に関連している何かがあるのだろうし、「ジョイボーイ」と呼ばれる、“空白の100年にいたとされる人物”もそのことと無関係ではないと考えられている。

そして、その謎を解く鍵となりそうな存在が急浮上。それは、12巻に初登場し、初期の人気エピソード「アラバスタ編」で活躍したビビ。どうやら、ビビの一族は空白の100年にまつわる謎に深く関わっているようで、最終章の今後の展開で超重要キャラクターになりそうな雰囲気となってきているのだ。

ビビのこれまでの活躍と誕生秘話

ビビが初登場したのは、103話「クジラ」というエピソード。この時、彼女は「ミス・ウェンズデー」を名乗り、クロコダイルの組織バロックワークスのエージェントとして活動していた。そして、麦わらの一味がグランドラインで最初に訪れた町「ウイスキー・ピーク」にてゾロにコテンパンにやられることになるのだが、その正体は、アラバスタ王国の王女・ビビであり、国を脅かす組織に内部潜入していたのだ。

しかし、実はビビは初期構想では、「単なるいち悪役」で終わる予定だった。『ONE PIECE総集編 THE 21st LOG』において、作者の尾田栄一郎先生が、ビビは当初あっさり倒されるキャラクターとして設定し、それ以上のことは考えていなかったと語っている。しかし、ある時、髪を下した絵を描いてみたら「王女っぽい」と感じて、アラバスタの王女の設定に変更したとのこと。

実際、ミス・ウェンズデーが用いる技「魅惑のメマーイダンス」などは、いかにも雑魚キャラの使う技という感じがするが、そうした描写は初期構想の名残と思われる。

しかし、その後、ビビは民を想う勇敢で優しい王女としてのキャラクター性を獲得していき、人気キャラクターの一人へと成長していく。アラバスタ編の最後を飾る作中屈指の感動シーン、「もう一度、仲間と呼んでくれますか!」と叫ぶ場面はファンにとっては忘れられないものだろう。

ビビは空白の100年の謎を解く鍵に?

アラバスタ編以降、ビビの出番は多くなかったが、世界会議(レヴェリー)編にて本格的に再登場を果たす。世界の王族が集まるこの会議で、アラバスタ王国を統治するビビの一族ネフェルタリ家は、元々世界政府の創立に携わった「20人の王」の一人だったものの、天竜人にならずに地上に残ったことが明かされる。

そして、このレヴェリーで大事件が勃発。世界政府を仕切る最高権力者である五老星と面会したビビの父・コブラが一族の最初の女王ネフェルタリ・リリィについて問うたことで、存在しないはずの五老星の上に立つ世界の支配者「イム」が登場。その秘密を知ってしまったことで暗殺されてしまう。

たまたま、その場に居合わせた革命軍のサボに、ネフェルタリ家も「D」の名を持つ一族だと告げたコブラは息絶える。そして、サボはコブラ暗殺の濡れ衣を着せられることに。

『ワンピース』において名前に「D」がつくキャラクターは、何か特別な存在であることが示唆されているので、ビビは今後の展開で重要なキャラクターとなることは確実だろう。

その頃、ビビは世界貴族直属の組織サイファーポール0に捕えられていたが、ワポルの乱入で難を逃れ、世界経済新聞のモルガンズにかくまってもらうことに。ビビが狙われたのはイムの指示によるもののようで、謎の世界の支配者とビビには何らかのつながりがあると目されている。謎の世界の支配者イムは「ビビが欲しい」と発言しており、今後も彼女は狙われ続けることになるだろう。新聞では、ビビは行方不明とされており、そのことを知ったルフィ一行も安否を気にかけており、今後の展開では、世界の謎の重要なカギを握る存在として、麦わらの一味との再合流も考えられる。

麦わらの一味、10人目の仲間は?

そこで気になるのは、「麦わらの一味の10人目の仲間が誰になるのか」だ。ファンの間では有名なだが、第一話でルフィは仲間を「10人は欲しいなァ!!」と発言していることから、最終的なコアメンバーはルフィ+10人で11人になるのではと予想されている。

現在、麦わらの一味はルフィを含めて9人。あと一人が誰になるのかはファンの間で度々議論になる話題であり、ビビを推す声も少なくない。最終章突入後、ビビが重要キャラクターとして再浮上していることから、その可能性もあるのではないだろうか。

ちなみに、ビビはNetflixで配信が決定している実写版『ONE PIECE』Season2でも登場予定だ。演じるのはチャリスラ・チャンドラン。彼女はインド系の家系に生まれたイギリス人俳優で、『ブリジャートン家』シーズン2にエドウィーナ・シャルマ役として出演していたことで知られてる。ビビが砂漠の国の王女であることも意識されたキャスティングと思われる。

実写版でも重要な存在として活躍が期待されるビビ。原作の展開ともども、どんな活躍を見せてくれるのか、今から期待に胸が膨らむ。



※画像はイメージです

ライター:杉本穂高
映画ライター。実写とアニメーションを横断する映画批評『映像表現革命時代の映画論』著者。様々なウェブ媒体で、映画とアニメーションについて取材・執筆を行う。X(旧Twitter):@Hotakasugi