愛知県名古屋市が舞台であるTVアニメ『メダリスト』。本作は、名古屋に実在するさまざまな場所や観光スポットが登場する。主人公・結束いのりと、名古屋駅名物であるナナちゃん人形のコラボも期間限定で行われた。SNSでは、アニメの影響で聖地巡礼するファンの投稿も続出中。今、名古屋ではいったいなにが起こっているのだろうか。
実際に行ける!名古屋に存在する数々の“聖地”
いつもいのりがフィギュアスケートの練習に励んでいるスケートリンクは、名古屋市中区にある名古屋スポーツセンター(通称・大須スケートリンク)だ。第1話では、明浦路司(あけうらじつかさ)から必死に逃げるいのりが階段の手すりを滑り降りるシーンが印象的だった。建物の外観や中のレイアウトも忠実に再現されており、併設されたコメダ珈琲店も「ヨネダ珈琲店」のように名前を微妙に変えて描かれている。
今年の2月に筆者が名古屋スポーツセンターを訪れたとき、中には『メダリスト』のポスターが。加えて、いのりと司のパネルが設置されていた。スケートリンク場に入ると本作のオープニング主題歌を務める米津玄師の楽曲が流れており、『メダリスト』がきっかけで足を運んだファンにとってうれしいポイントがたくさんあった。
続いて、第7話にて大和絵馬(やまとえま)が大量のハトに群がられていたシーンがコミカルだった名古屋の人気観光スポット・大須観音(正式名称は北野山真福寺寶生院)。名古屋市中区にある寺院で、東京都にある浅草観音、三重県にある津観音と並んで日本三大観音のひとつと言われている。エサやりができるということもあり、大須観音にはたくさんのハトが。ハトに囲まれて涙目になっていた絵馬のように、少し恐怖を感じるほどいる。大量のハトにおっかなびっくりな人々が見られるのも、大須観音ならではだ。
複合スポーツ施設である邦和みなと スポーツ&カルチャーは、作中にてバッジテストや名港杯の会場として登場した。第4話にていのりが母に「選手としてメダリストになりたい」と熱い気持ちを訴えたのもこの場所だ。
また、1月15日から1月21日までの期間限定で、名鉄名古屋駅前の顔として愛されているナナちゃん人形と『メダリスト』のコラボが行われていた。ナナちゃん人形が、いのりの着ている白と黄色の衣装を身にまとっていたのだ。
時期ごとにさまざまなファッションに変身し、通りすがる人たちを楽しませているナナちゃん人形。『メダリスト』コラボのときはちょうどアニメ放送がスタートしたタイミングだったため、「これってなんの格好?」と足を止めて『メダリスト』に興味を持った人も多かったのではないだろうか。ナナちゃん人形がいる通路にはキャラクターたちの垂れ幕も飾られており、街をあげてアニメを応援する様子が伝わってきていた。
ともに盛り上がりを見せる『メダリスト』とフィギュアスケート王国・名古屋
愛知県は、浅田真央や宇野昌磨、伊藤みどりといった数々の有名フィギュアスケーターを生み出してきた場所だ。そして、女子フィギュアスケートで活躍する日本人選手の多くは、名古屋出身でもある。名古屋はフィギュアスケートと深い関係にある、まさに「フィギュアスケート王国」なのだ。
『メダリスト』の作者であるつるまいかだも、愛知県出身だ。つるまが成長する過程で見てきたものや感じたものが、本作に色濃く投影されているように思う。『メダリスト』を観て聖地巡礼するファンも多く、SNSでは「すんごいそのまんまで感動」「見たことある!って場所に来れてテンション上がった」「聖地巡礼出来てアツい!」「娘がメダリストにはまってスケートやってみたいと言い出した」「夢みたいでめっちゃ嬉しい」と写真つきの投稿が続々とあがっている。
もともとフィギュアスケートで有名な名古屋。『メダリスト』に影響され聖地巡礼するファンが、名古屋をさらにホットな場所にさせているように思う。現地に足を運んで、いのりたちと同じ気持ちを味わい、アニメの世界に没入してみるのもきっと面白いだろう。
メダリスト
ABEMAにて毎週木曜26時より無料放送
放送後1週間、最新話を無料で視聴できる。
[番組URL]https://abema.tv/video/title/25-279
【(C)つるまいかだ・講談社/メダリスト製作委員会】
ライター:まわる まがり
主にアニメについての記事を書くライター。コラムやレビュー、映画の作品評を手がける。X(旧Twitter):@kaku_magari