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なぜ話題に? 週刊少年ジャンプの連載作品が“アニメ化”で注目されているワケ

  • 2025.2.12
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Netflix『SAKAMOTO DAYS』(C)TMS/Shueisha

1月11日より放送がスタートしたTVアニメ『SAKAMOTO DAYS』が「面白い」と話題になっている。本作は「週刊少年ジャンプ」(集英社)にて連載中の鈴木祐斗による漫画を原作としており、累計発行部数は700万部を突破している人気作だ。本稿では、『SAKAMOTO DAYS』の持つ面白さの理由について考察したい。

ぽっちゃりの坂本が繰り広げる重量感あふれる“アクションシーン”

『SAKAMOTO DAYS』の見どころは、なんといってもアクションシーンだ。第1話では、冒頭から最強の殺し屋として活躍していた主人公・坂本太郎が次々に黒服の敵を倒していくシーンが描かれる。猛スピードで敵の首に一撃を与え、発砲のなかを華麗にくぐり抜ける坂本。その動きは常人離れしている。

しかし、葵と結婚し子どもができた坂本は、まんまるに太ってしまった。彼のまるいフォルムは、スラッとしたかつての面影はない。昔はとがっていたが今はおだやかになった人を「まるくなった」と表現することがある。坂本の体は、心身ともにまるくなってしまったと思わせるほどのぽっちゃり具合だ。

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Netflix『SAKAMOTO DAYS』(C)TMS/Shueisha

現在、殺し屋を引退し坂本商店を営んでいる坂本のもとに、殺し屋時代の部下・朝倉シンが訪れる。シンの目的は、坂本に殺し屋として復帰するように説得すること。だが、説得に失敗したシンは、自分の手で坂本を始末すると決心する。

坂本商店内で繰り広げられる、坂本とシンのバトル。不意打ちで銃を撃つシンだが、坂本はその銃弾に向かって口にふくんでいた飴玉を「ポンッ!」と勢いよくふき出し、弾道をそらした。スローモーションで描かれる銃弾と飴玉が衝突する瞬間は、臨場感がある。そして、坂本はシンに思いきり蹴りをぶちかました。蹴りの衝撃によって棚がふっとび、強風が巻き起こる。

油断してしまうような坂本の体型からは想像がつかない、機敏な動き。そして、その体の重さをいかした重量感のある攻撃が、戦闘シーンにインパクトを生んでいる。坂本の攻撃をまともに食らえば、何本か骨が折れてしまいそうだ。

また、坂本が戦闘中に身近なアイテムを使っている点も面白い。シンとのバトルで坂本は、飴玉のほかにアイスクリームやチョコレート、シュークリームを駆使して誘導したり、目くらまししたり。シンとともに殺し屋たちと戦うシーンでは、銃弾を割り箸でがっちりキャッチしたうえに、ペンではじき返している。

坂本商店の緑色のエプロンを着たまま戦う坂本の姿は、日常と非日常がひとつになっている。「こんなことができたらカッコいい」と私たちがぼんやり思い浮かべる妄想を、坂本が具現化してくれているようだ。だからこそ、本作にワクワクするのだろう。

日常パートの面白さを支える“大人気キャスト”

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Netflix『SAKAMOTO DAYS』(C)TMS/Shueisha

『SAKAMOTO DAYS』のキャストは、大人気声優が集結。坂本役を杉田智和、シン役を島﨑信長、陸少糖(るーしゃおたん)役を佐倉綾音が務めている。ほかにも、南雲(なぐも)役に花江夏樹、大佛(おさらぎ)役に早見沙織が抜擢されるなど、人気と実力を兼ね備えたメンバーがそろっている。

アクションが見どころと聞くと、「日常パートは退屈なのではないか」と思うかもしれない。しかし、声優陣の芝居によって、日常パートで繰り広げられるギャグシーンも安定した面白さがある。今後キャラクターが増えていくほど、会話の掛け合いの面白さは増していくだろう。

SNS上で賛否両論があがっている本作。だが、アニメ作品として高いクオリティに仕上がっているのは間違いない。アクションシーンや人気の高いキャストといったシンプルでわかりやすい見どころがある分、楽しみやすいのも面白さの理由だろう。坂本たちの“普通ではない”日常から、今後も目が離せない。


『SAKAMOTO DAYS』2025年1月11日(土)よりNetflixにて配信中
(C)TMS/Shueisha
(c)鈴木祐斗/集英社・SAKAMOTO DAYS 製作委員会

ライター:まわる まがり
主にアニメについての記事を書くライター。コラムやレビュー、映画の作品評を手がける。X(旧Twitter):@kaku_magari