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天動説 VS 地動説 金星の満ち欠けがもたらした運命の分岐点に「うわっそう来たか」 『チ。』9話

  • 2024.12.2
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(C)魚豊/小学館/チ。 -地球の運動について-製作委員会

魚豊による漫画を原作とした現在放送中のTVアニメ『チ。 ―地球の運動について―』。天文研究所の所長・ピャスト伯がこれまで人生を懸けて研究してきた天動説だが、第9話では金星によってその証明が大きく揺らぐ“ある事実”が発覚した。

鍵を放さない描写が暗示する“重み”

昔ピャスト伯は、教授に資料室の鍵を渡されていた。だが、ある日ピャスト伯は満ちた金星を見てしまい、教授の研究に疑問を抱く。そんななか、宇宙の完成を目指していた教授は、志半ばで息絶えてしまう。「いつか天国で私に聞かせてくれ。真理を」教授の信念を引き継いだピャスト伯は、宇宙の完成を目指し始めた。

ピャスト伯は、バデーニたちに記録を見せる代わりに条件を出す。教授の研究に疑問を抱くきっかけとなった金星を観測させ、金星が満ちているか欠けているかでどちらの仮説が正しいか明らかにすることを命じたのだ。太陽や地球の位置関係から、金星が欠けていれば地球が中心の天動説の正しさが証明され、満ちていれば現状の宇宙論はおかしいと判明する。

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(C)魚豊/小学館/チ。 -地球の運動について-製作委員会

金星観測の直前、やはり天動説が正しいのではないかと心配になるオクジーに、ヨレンタは「この世は最低と言うには魅力的すぎる」とこの世の美しさには理由があるはずだと語る。強い説得力を持ったヨレンタの言葉に思わずハッとしてしまうのだ。

「見えろ。満ちてろ。見えろ!」祈りながら夜空を眺めるオクジー。緊張の一瞬だ。すると、雲に隠れていた金星が姿を現した。「満ちてる」満ちた金星によって、今の世界で常識とされている天動説は理屈がおかしいとついに判明した瞬間だった。

条件通りバデーニに資料室の鍵を渡そうとするピャスト伯だが、なかなか手を放そうとしない。そして、ピャスト伯は涙を流していた。ピャスト伯だけでなく、これまで天動説を研究してきた人々の人生が資料室には詰まっている。積み重ね、引き継がれてきた“重み”があまりにも大きすぎるのだ。

第9話のピャスト伯に対してSNSでは「ピャスト伯の人生ってこれ……『不正解は無意味を意味しない』ですよね……」「ピャスト伯もまた託された人だったのか」「『複雑』の一言では言い切れないくらいぐちゃぐちゃな感情があったなぁ」「金星を観るシーンはヒヤヒヤした」「ピャスト伯の涙でその重みが伝わった」との声が。

ピャスト伯にもフォーカスした理由とは

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(C)魚豊/小学館/チ。 -地球の運動について-製作委員会

本作は、地動説の証明に命と信念を懸ける者たちの物語だ。しかし、相反する考え方である天動説を研究するピャスト伯にもスポットが当たることで、真理を追究する重みと残酷さをより一層リアルに感じられる。地動説を証明するということは、天動説の証明に人生を懸けてきたピャスト伯のような人たちの努力や苦労を崩壊させてしまうことになるからだ。

また、ピャスト伯も教授から鍵を受け取り、天動説に懸ける信念を継承した人物だったと第9話でわかる。脈々と引き継がれる信念は、天動説も地動説も変わらない。キャラクター全員がアツいものを持っているため、観ると胸を打たれるだけでなくふつふつとやる気もみなぎってくる。

第9話についてSNSでは「うわっそう来たか……毎回面白すぎる……」「アニメ苦手で見る習慣がない私なのに、これは見たいってなってる」「ロマンだなあ……ほんとに」「真実を知らぬまま逝く人が多すぎるよ……」「泣きそうになった」「古典芸能、古典文学が好きな全人類に観て欲しい」との声があがった。

満ちた金星と資料室の鍵によって地動説の証明に近づいたバデーニたち。対してピャスト伯はラストで息絶えてしまった。天動説の研究を続けてきた人々にも思いを馳せてしまうような、胸に迫る第9話となった。

チ。 ―地球の運動について―
ABEMAでは『チ。 ―地球の運動について―』毎週土曜日夜24時10分より無料独占・見放題最速配信
放送後1週間、最新話を無料で視聴できる。
[番組URL]https://abema.tv/video/title/568-32
【(C)魚豊/小学館/チ。 -地球の運動について-製作委員会】


ライター:まわる まがり
主にアニメについての記事を書くライター。コラムやレビュー、映画の作品評を手がける。X(旧Twitter):@kaku_magari



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