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ラスト1分で大歓喜!「ついに」「歓声が上がった」厳しい声が相次ぐ『おむすび』に希望の光

  • 2024.10.18

厳しい声が相次ぐ連続テレビ小説『おむすび』だが、3週目の終盤にて希望の光が。主人公・米田結(橋本環奈)の姉であり、伝説のギャルとしてカリスマ的存在となっている歩(仲里依紗)が登場。SNS上では「ついに出てきてくれた!」「待ってました」「4週目までは離脱せずに見てみる」と喜びの声で満ちている。

「夢」の扱いについて描く3週目

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『おむすび』第3週(C)NHK

ルーリー(みりちゃむ)をはじめ、ギャルたちと距離を縮めはじめた結。姉・歩の存在がネックとなり、ギャルという存在そのものを忌避していた結だが、彼女たちと交流を重ねるうちに「いかに自分が外見で人を判断していたか」を自覚する。

ルーリーたちには「ダサいことは死んでもするな」という掟があり、それぞれの夢もある。ネイリストになること、ダンサーになること、ギャルの歴史を本にすること。礼儀正しく、ご飯も綺麗に食べる彼女たちは、見た目の派手さゆえに周囲から誤解を受けることも多いが、とても健全で善良であることが伝わる。

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『おむすび』第3週(C)NHK

そんなルーリーたちと接するうちに、結は自身を省みる。彼女たちと違って、はっきりとした「夢」がない自分。強いて言えば農家を継いで、平穏無事に生きることが人生の目標だ。結はおそらく、何の衒いもなくそう思っているはず。

しかし、ルーリーたち、そしてたまたま知り合った高校球児・四ツ木翔也(佐野勇斗)の「メジャーリーグに行く」という話を聞くうちに、夢がないことは悪いことなのか? という疑問が生まれる

舞台は平成初期。結は平成元年生まれで、バブルの余韻さえ感じさせない時代に中学〜高校生活を送っている。偶然にも筆者と同い年、だからこそ当時の空気感がよく理解できる。目まぐるしいスピードでPCやインターネットが広まっていき、これからどんどん生活が組み替わっていく予感と、何か大きな夢や目標がなければ生き抜いていけないかもしれない漠然とした焦り、その両方があった。

令和になった現代でも、さほど変わらないかもしれない。夢、目標、好きなこと、やりたいこと。人生を賭けて達成したい、突き詰めたいひとつのことに出会えていない人間は、他社から容易に「寂しい」と言われてしまう。

仲里依紗が起爆剤となるか?

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『おむすび』第3週(C)NHK

夢がなければ、寂しい人間なのか? 結の問いを促進させ、同時に解決の糸口となりそうなキャラクターが、4週目以降に登場する。東京に行ったきり、長らく姿を見せていなかった結の姉・歩が突然、帰ってきたのだ。

歩はギャルたちの間でカリスマとして崇められており、ルーリーたちは結の自宅にある歩の部屋に入れたこと自体で歓喜していた。いわば一時代の渦中にいたような歩が、なぜ実家から出て東京に行き、連絡を絶っていたのか。そして、どんな理由でいきなり姿を見せたのか。

結にとって、歩の存在や行動理由には、まだまだ謎が多いだろう。姉妹が幼かったころの思い出や、歩が結のことをどう思っていたのかなど、二人に関することはこれから明かされていくはず。その過程で、結は歩という人間を多少なりとも理解し、自分の「夢」を見つけるのではないだろうか。

少々厳しい声も聞かれる『おむすび』にとって、仲里依紗の登場はマンネリ打破の起爆剤ともなってくれそうな予感がある。

また、結が栄養士になることは、すでにあらすじで明かされているため、そのプロセスも気になるところだ。朝ドラとは切っても切り離せない、ヒロインの恋模様を想像する楽しみもある。相手は書道部の風見先輩(松本怜生)か、幼馴染の陽太(菅生新樹)か、それとも翔也か? 各々の注目ポイントを携えながら見守ることが『おむすび』完走のコツかもしれない。



NHK 連続テレビ小説『おむすび』毎週月曜〜土曜あさ8時放送
NHKプラスで見逃し配信中

ライター:北村有(Kitamura Yuu)
主にドラマや映画のレビュー、役者や監督インタビュー、書評コラムなどを担当するライター。可処分時間はドラマや映画鑑賞、読書に割いている。X(旧Twitter):@yuu_uu_