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「体感5分間だった」「ここ数年で一番面白いかも」衝撃展開が続く話題作、またしても“予想外の演出”

  • 2024.10.29

現在放送中のTVアニメ『チ。 ―地球の運動について―』。衝撃的な展開で視聴者の予想をいい意味で裏切った第3話を経て、第4話では新たな主人公・オクジーが初登場した。物語はラファウやフベルトが描かれた10年後に移り変わるが、オクジーの頭上には変わらず星空が輝く。そして、主人公の交代とともにオープニングとエンディングにも“ある変化”が。

※本記事は、1話~3話の重要なネタバレを含みます。

超ネガティブでクセの強い新主人公・オクジー

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(C)魚豊/小学館/チ。 -地球の運動について-製作委員会

第4話にて描かれるオクジーは、代闘士として嫌々ながらも日々働いていた。「仕事なので」と言いながら相手の喉元に剣を突き刺すオクジーは、同僚・グラスに攻撃の反応と目を褒められる。“いい目をしている”という点でラファウと共通しているため、オクジーは天文にも向いていそうだ。

しかし、当の本人はかなりのネガティブ思考でこの世に絶望している様子。オクジーのこの世に対する悲観さは相当なもので、「希望は天国にしかない」「天国最高 天国最高 天国最高」とぶつぶつ呟くほど。

酒場で上級市民に突っかかられたときも、「生まれてすいません 生まれてすいません……」と連呼。少し危ない雰囲気さえ感じるオクジーは、かなりクセの強いキャラクターだといえそうだ。

そんなオクジーを前向きに励ますグラスにも実はワケがあった。彼は疫病で家族を亡くし自殺を試みたが、死にきれなかった過去があったのだ。そこでグラスが夢中になったのが星の観測だ。

星の完璧さと星を見られる地球に希望を見出していたグラスだったが、ある日円環のように動くと思っていた火星の軌道が予想と外れる。2年かけて観測していた火星がまったく動かなくなり、ついには曲がってしまったのだ。完璧だと思っていた星が無秩序に動き始め絶望するグラス。涙を流す横顔が悲しい。

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(C)魚豊/小学館/チ。 -地球の運動について-製作委員会

そんななか、代闘士として異端者の輸送警備をすることになった2人。異端審問官のノヴァクが映り、ラファウの死後も彼はまだ生きているとわかる。ノヴァクのおそろしい拷問シーンがまたあるかもしれないと想像するだけでゾッとする。

輸送中、異端者の言葉によって天国の存在が揺らぐオクジーとグラス。しかし、「この地球は天国なんかよりも美しい」と語る異端者の言葉は、信じたくなるほど魅力的だった。グラスが異端者の縄を切ったことで、第2章の物語が動き始める。

第4話についてSNSでは「深い、大人が見るアニメ」「話の作り方がすごすぎる」「4話も体感5分間だった」「ここ数年のアニメで一番面白いかも」と反響が寄せられた。

物語に合わせて変化するOPとED

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(C)魚豊/小学館/チ。 -地球の運動について-製作委員会

第3話までは「第1章」となっており、地動説に魅了されてしまった少年・ラファウがメインの物語だった。しかし、第3話にてラファウは「僕は地動説を信じてます」と裁判で宣言した後、自ら毒を飲み燃やされてしまった。ラファウの死をもって第4話からオクジーに主人公が交代する形となったわけだ。

『チ。』のオープニング映像では、ラファウがアップで映し出され、そこにさまざまなキャラクターの顔がカットインする始まり方をしていた。だが、第4話では最初にラファウではなくオクジーの顔が映り、主人公の交代を暗示。

また、エンディング映像も歩くラファウについていくように新たなキャラクターが登場している。ラファウの地動説に懸ける信念を“引き継ぐ”や“後を追う”といった意味が読み取れる。ラストには、覚悟を決めたような表情の少女の姿も。

SNSでは「4話のOP鳥肌たった」「オープニングもエンディングも見逃せない」との声が。多くのアニメの場合オープニングやエンディングは毎週同じ映像が流れるのが基本だが、『チ。』のように微妙な変化があると楽しい。そして、第2章が終わり第3章が始まるとまた映像に変化が起きると予想される。

深く見入ってしまうような内容と、物語の進行に合わせてオープニングとエンディングが変化する粋な演出が面白い『チ。』。第2章の展開から目が離せない。

チ。 ―地球の運動について―
ABEMAにて毎週土曜日夜24時10分より無料独占・見放題最速配信
放送後1週間、最新話を無料で視聴できる。
[番組URL]https://abema.tv/video/title/568-32
【(C)魚豊/小学館/チ。 -地球の運動について-製作委員会】


ライター:まわる まがり
主にアニメについての記事を書くライター。コラムやレビュー、映画の作品評を手がける。X(旧Twitter):@kaku_magari