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『ヒロアカ』原作最終回の“最後のコマ”で描かれた“胸アツ描写”にあっぱれ    

  • 2024.9.1

現在放送中のTVアニメ『僕のヒーローアカデミア』第7期にて、死柄木弔(しがらきとむら)によって心臓を貫かれた爆豪勝己(ばくごうかつき)。彼を救うために立ち上がったのが、プロヒーローのエッジショットだ。これまでエッジショットの出番は少なく、視聴者の印象も薄かったかもしれない。しかし、後に彼は爆豪にとってとても大事な存在になる。エッジショットの活躍をふまえながら、原作最終回の“ぐっとくる”描写に迫る。

※本稿は『僕のヒーローアカデミア』のネタバレを含みます。原作未読の方はご注意ください。

過去にも爆豪を救出しようとしていたエッジショット

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(C)堀越耕平/集英社・僕のヒーローアカデミア製作委員会

エッジショットはナンバー4のプロヒーローだ。体を薄く細く引きのばせる「紙肢(しし)」という個性を持ち、その変化速度は音速を超えるほど。彼のコスチュームは赤と紺を基調とし、口元はマスクと赤いマフラーで覆っている。足元は草履をはいており、どろんと現れては消える忍者のような風貌が特徴だ。

扉の隙間から侵入したり敵の体内に入って気絶させたり、個性「紙肢」の使い方は自由自在。ナンバー4までのぼり詰めただけあり、かなりの実力派ヒーローなのがエッジショットなのだ。

ただ、エッジショットが登場した回数は数少ない。そんななかでも彼の印象的なシーンとして挙げられるのは、ヴィラン連合に連れ去られた爆豪を救出するためにプロヒーローたちがアジトに突入するアニメ第47話だ。

拘束された爆豪と死柄木たちが対峙する緊迫した空気の最中、ノックの音が鳴り響く。「どうも、ピザーラ神野店です」その場にいた全員の視線が扉に向いた瞬間、オールマイトが壁を突き破って現れた。

実は、ノックをしてヴィランの注意を引いた人物こそがエッジショットだった。また、一番厄介な黒霧(くろぎり)が個性「ワープゲート」を発動させようとしたとき、「忍法 千枚通し」によって気絶させたのも彼だ。爆豪救出の場面で、エッジショットは重要な役割を担っていた。

爆豪のコスチュームに変化が起きた原作最終回

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(C)堀越耕平/集英社・僕のヒーローアカデミア製作委員会

第7期の最終決戦でエッジショットは最大の活躍を見せる。「俺がこの子の心臓になる!」心臓を貫かれた爆豪の体内に入り込み、内側から心肺蘇生を試みるエッジショット。それはベストジーニストが危惧する通り元に戻れなくなるようなハイリスクな手段であり、自身の命の危険も伴う。それでも、彼の体は爆豪を生き返らせるために動いていた。

『ヒロアカ』の原作最終回にて、大人になった雄英高校ヒーロー科1年A組のメンバーが描かれた。最後のコマで勢いよく飛び出す彼らのなかには爆豪の姿も。そして、爆豪の後頭部にはエッジショットのコスチュームがモチーフだと取れるようなヒモがついているのだ。

爆豪がエッジショットのコスチュームの一部を取り入れたのは、命がけで助けてくれた彼への感謝とリスペクトの表れではないだろうか。昔は自己中心的だった爆豪が、仲間を想う大人へと成長した“証”でもあるだろう。爆豪の成長とエッジショットとの絆を感じて、思わずぐっとくるような演出だ。

キャラクターたちの成長をさまざまな角度で見せてくれる『ヒロアカ』。そんな作品だからこそたくさんの人が笑い、泣き、夢中になったのだろう。原作は完結したが、アニメはまだ続く。今後、爆豪とエッジショットに注目してアニメを観てみるのも面白いだろう。

僕のヒーローアカデミア
ABEMAにて毎週土曜21時30分より無料放送。
放送後1週間、最新話を無料で視聴できる。
[番組URL]https://abema.tv/video/title/19-15
【(C)堀越耕平/集英社・僕のヒーローアカデミア製作委員会】


ライター:まわる まがり
主にアニメについての記事を書くライター。コラムや映画の作品評、マンガのレビューを手がける。X:@kaku_magari