素因数分解というのは、「素数の掛け算の形」に変形をすることです。
二桁程度の数であれば、暗算でも素因数分解が可能かもしれませんが、数が大きくなると難しくなっていきます。
今回は四桁の数の素因数分解に挑戦してみましょう。
問題
1716を素因数分解しなさい。
素数で順に割り算していくことで素因数分解が可能です。
解説
今回の問題の答えは「2×2×3×11×13」です。
(2×2は2^2(2の2乗)としてもよい)
素因数分解のポイントは、小さな素数で順に割り算をしていくことです。
素数は小さい方から順に、2、3、5、7、11、13、17・・・ですね。
まず、「1716」は偶数なので2で割ることができます。2で割ると858。
さらに偶数なので、もう一度2で割ります。2で割ると429。
1716÷2=858
858÷2=429
これ以上2で割ることはできないので、次に小さい素数「3」で割りましょう。
429÷3=143
もう一度3で割れるかどうかを確かめます。
143÷3=47.666・・・(3で割り切れない)
3では割れないので、同様にして小さい素数で割り算を試します。
143÷5=28.6(5で割り切れない)
143÷7=20.428・・・(7で割り切れない)
3では割れない、5でも割れない、7でも割れない…といくつか試してみても、割り切れそうにありません。
ということは143は素数なのでは?という気がしてきます。
しかし、実は143は11で割り切ることが可能です。
143÷11=13
13は素数なので、これ以上素因数分解をすることはできません。
したがって1716を素因数分解すると次の通りになります。
1716=2×2×3×11×13
「143が11で割り切れる」ということに気付くのがポイントでした。
まとめ
素因数分解は、地道に割り算を繰り返して、割り切れる数を見つけるという方法をしなければいけません。
大きな数になると割り切れる数を見つけるのが難しくなり、正しく計算する力が求められます。
間違えてしまった方はぜひ復習をしてみましょう!
※当メディアでご紹介する数学関連記事において、複数の解法を持つものもございます。
あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。
文(編集):SAJIMA
日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」
監修:株式会社カルチャー・プロ(公式HP / インスタグラム)
「誠実なモノづくり」を信条とし、高い専門性を有する編集者が幼児から大人向けまで幅広い年代に向けての学習教材を制作する編集プロダクション。家庭や学校、塾などで日々使われている教材だけでなく各種テストや教養系の一般書などを制作。社会や教育を取り囲む環境の変化に対応するため、新しい技術にも着目し、教育業界の未来も模索しながら、下支えしている会社。社内はフラットに意見が言い合える雰囲気で、パートナー、クライアントからの信頼も厚い。
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