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大人が意外と解けない数学「√576」→整数で表すと?

  • 2024.7.23
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あなたは「√(ルート)」という記号を覚えているでしょうか?

数学で登場する記号ですが、大人になってからはほとんど見ていないという人も多いでしょう。

「√はややこしい数学記号」というイメージが定着しているなら、ぜひ今回の問題に挑戦してみてください。

問題を解きながら√の意味を確認してみましょう。

問題

次の数を整数で表してください。
√576

解答

正解は、「24」です。

正しい数を答えられたでしょうか?

そもそも√って何だったっけ?という人はもちろん、±24と答えてしまった人も、ぜひ次の「ポイント」を確認してください。

ポイント

この問題のポイントは、√の意味にあります。

では、√とは何かを確認しましょう。

√aとは、二乗するとaになる正の数のことです※。

※ただし√0=0なので、a=0のときのみ正の数ではありません。

例えば√9は、二乗すると9になる正の数、つまり3のことです。

3×3=9
√9=3

ここで改めて問題を見てみましょう。

√576

√576を整数に直すためには、「どんな整数を二乗すると576になるのか」を考えればいいのです。

とはいえ、1から順に整数を二乗して576になるかどうか確認していくのは時間がかかります。

そこで、次の方法を試してみてください。

まず、576を何らかの整数の掛け算の形で表せないかを考えてみましょう。

例えば、576は2で割れる=2の倍数なので、次のように表現できます。

576=2×288

さらに数を分解できないか考えます。288も2の倍数なので次のように表現できます。

576=2×2×144

同じ要領で144をさらに分解していきましょう。

576
=2×2×144
=2×2×2×72
=2×2×2×2×36
=2×2×2×2×6×6

ここで、右の式が「同じ数の掛け算×同じ数の掛け算」の形になるよう、数字を入れ替えてみましょう。

576
=2×2×2×2×6×6
=(2×2×6)×(2×2×6) ←2が二つ、6が一つの掛け算のペアを二つ作る
=24×24

24×24になりましたね。24の二乗が576であると分かったので、√576=24が成り立ちます。

このように、√の中の数を整数の掛け算の形に分解していき、同じ数×同じ数の形にならないか検討することで、ルートを整数に直すことができます。

ただし、√2のように、掛け算の形に分解しても(2×1)何らかの整数の二乗にならないものもあります。

このような数はもともと整数に直せない数で、無理数と呼ばれています。

平方根との違い

この問題の答えを±24だと考えた人はいませんか?

負の数×負の数は正の数ですので、−24×(−24)も576になります。

しかし、√a(a≠0)とは、二乗するとaになる正の数のことです。

よって−24は、√576の整数表現としては不適切です。

なお、√と似た概念に平方根というものがあります。

aの平方根とは、符号に関わらず二乗するとaになる数のことです。

つまり、「576の平方根は?」という問題ならば、±24という答えが正解になります。

しかし、「√576を整数に直すと?」という問題の場合は、24のみが正解になるのです。

まとめ

今回の問題では、数学記号の√を取り上げました。

√の計算は日常生活でほとんど登場しませんから、遠い存在と感じてしまいがちです。

√に興味が出てきた人は、ぜひ他の√の問題にも挑戦してみてくださいね。



文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。


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