あなたは「√(ルート)」という記号を覚えているでしょうか?
数学で登場する記号ですが、大人になってからはほとんど見ていないという人も多いでしょう。
「√はややこしい数学記号」というイメージが定着しているなら、ぜひ今回の問題に挑戦してみてください。
問題を解きながら√の意味を確認してみましょう。
問題
次の数を整数で表してください。
√576
解答
正解は、「24」です。
正しい数を答えられたでしょうか?
そもそも√って何だったっけ?という人はもちろん、±24と答えてしまった人も、ぜひ次の「ポイント」を確認してください。
ポイント
この問題のポイントは、√の意味にあります。
では、√とは何かを確認しましょう。
√aとは、二乗するとaになる正の数のことです※。
※ただし√0=0なので、a=0のときのみ正の数ではありません。
例えば√9は、二乗すると9になる正の数、つまり3のことです。
3×3=9
√9=3
ここで改めて問題を見てみましょう。
√576
√576を整数に直すためには、「どんな整数を二乗すると576になるのか」を考えればいいのです。
とはいえ、1から順に整数を二乗して576になるかどうか確認していくのは時間がかかります。
そこで、次の方法を試してみてください。
まず、576を何らかの整数の掛け算の形で表せないかを考えてみましょう。
例えば、576は2で割れる=2の倍数なので、次のように表現できます。
576=2×288
さらに数を分解できないか考えます。288も2の倍数なので次のように表現できます。
576=2×2×144
同じ要領で144をさらに分解していきましょう。
576
=2×2×144
=2×2×2×72
=2×2×2×2×36
=2×2×2×2×6×6
ここで、右の式が「同じ数の掛け算×同じ数の掛け算」の形になるよう、数字を入れ替えてみましょう。
576
=2×2×2×2×6×6
=(2×2×6)×(2×2×6) ←2が二つ、6が一つの掛け算のペアを二つ作る
=24×24
24×24になりましたね。24の二乗が576であると分かったので、√576=24が成り立ちます。
このように、√の中の数を整数の掛け算の形に分解していき、同じ数×同じ数の形にならないか検討することで、ルートを整数に直すことができます。
ただし、√2のように、掛け算の形に分解しても(2×1)何らかの整数の二乗にならないものもあります。
このような数はもともと整数に直せない数で、無理数と呼ばれています。
平方根との違い
この問題の答えを±24だと考えた人はいませんか?
負の数×負の数は正の数ですので、−24×(−24)も576になります。
しかし、√a(a≠0)とは、二乗するとaになる正の数のことです。
よって−24は、√576の整数表現としては不適切です。
なお、√と似た概念に平方根というものがあります。
aの平方根とは、符号に関わらず二乗するとaになる数のことです。
つまり、「576の平方根は?」という問題ならば、±24という答えが正解になります。
しかし、「√576を整数に直すと?」という問題の場合は、24のみが正解になるのです。
まとめ
今回の問題では、数学記号の√を取り上げました。
√の計算は日常生活でほとんど登場しませんから、遠い存在と感じてしまいがちです。
√に興味が出てきた人は、ぜひ他の√の問題にも挑戦してみてくださいね。
文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。
ルートの問題にもう一問挑戦!