二桁の掛け算を見ると、電卓を使いたくなる人は多いのではないでしょうか。
もし電卓がなければ筆算をするしかなさそうですが、よくよく式の特徴を見ると暗算できる場合もあります。
ただし、そのまま掛け算をするのではなく、ある工夫が必要なのですが......。今回の問題に必要な工夫、あなたは分かりますか?
問題
次の計算を暗算で計算してください。
99×99
解答
正解は、「9801」です。
なかなか大きな数でしたが、暗算でスピーディーに求められたでしょうか?
では、どんな工夫をすれば計算が早くなるのか、次の「ポイント」で確認してみましょう。
ポイント
この計算をするときの注目ポイントは、「99が100に近い数字である」点です。
もし、二つの99のうちどちらかが100だったら、計算はとても楽になりますよね。
そこで、二つ99のうちの一つを100を使って表現してみましょう。
99×99
=99×(100−1)
100−1=99なので、この式は問題なく成り立ちます。
ここで、思い出してほしいのが分配法則です。
分配法則とは、「二つの数の和に“ある数”を掛けた結果は、二つの数それぞれを“ある数”と掛けてから足した結果と同じになる」という法則です。
言葉で説明すると少しややこしいので、以下の具体例で分配法則を確認してみましょう。
<分配法則の例>
5×(4−2)=5×4−5×2
証明
左辺=5×(4−2)=5×2=10
右辺=5×4−5×2=20−10=10
では、この分配法則を今回の問題に適用してみましょう。
99×(100−1)
=99×100−99×1
=9900−99
だいぶ簡単になりましたね。
9900−99は繰り下がりが多くて暗算できない!と思われる方は、さらに次のように分解してみてください。
9900−99
=(9800+100)-99
=9800+(100−99) ←簡単な100−99から先に計算します。
=9800+1
=9801
計算がかなり簡単になったのが分かっていただけたでしょうか。
まとめ
今回の問題では、二桁の掛け算を簡単にするための工夫をご紹介しました。
この方法を使えば、99や101など100に近い数字が掛け算に出てきたときに計算がグッと楽になります。
ぜひ他の問題でも試してみてくださいね。
文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。
二桁の掛け算にもう一問挑戦!