分数の掛け算は小学生のときに習います。
しかし、大人になってから分数どうしの掛け算をする機会はあまりないのではないでしょうか。
「久しぶりに挑戦してみたら、すっかり計算ルールを忘れていた」という可能性もあります。
今回の問題、あなたは間違えずに計算できるでしょうか?
問題
次の計算をしてください。
7/10×7/12×24/49
解答
正解は、「1/5」です。
式に出てくる数字は大きいですが、答えはシンプルなものでしたね。
では、この計算問題をスムーズに解くための方法を、次のポイントで確認してみましょう。
ポイント
この問題のポイントは、計算途中の約分です。
まず、分数の掛け算の計算ルールを思い出しましょう。
分数の掛け算では、分子どうし、分母どうしをそれぞれ掛け合わせるのでした。
よって今回の問題は次のように計算します。
7/10×7/12×24/49
=(7×7×24)/(10×12×49)
このまま計算しても、正しい答えは出ます。
しかし、こうしてみると分子も分母も数が大きく、筆算しないと計算が難しそうです。
そこで使いたいのが、約分です。
約分とは、分母と分子を同じ数で割って分数をより簡単な形で表すことです。
分数には「分子と分母に(0以外の)同じ数を掛けたり割ったりしても、もとの分数と表現している数は変わらない」という性質があります。約分ではこの性質を利用して分数を簡単な形にします。
掛け算の途中で約分ができれば、数字が小さくなるため計算が楽にできます。
では、実際にやってみましょう。
下の画像のように分子と分母共に割り切れる数を見つけ、少しずつ数を小さくしていきます。
黄色→水色→ピンク→緑の順に見ていくと分かりやすいですよ。
(7×7×24)/(10×12×49)
=(1×1×1)/(5×1×1)
=1/5
一見複雑な掛け算が、数の小さな分数になりました。
まとめ
今回の問題はいかがだったでしょうか。途中で約分をし、できるだけ簡単な数字にしてから計算するのが分数の掛け算をスムーズに解くコツです。
解き方が分かったら、ぜひ他の分数の問題にも挑戦してみてくださいね。
※当メディアでご紹介する数学関連記事において、複数の解法を持つものもございます。
あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。
文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。
監修:株式会社カルチャー・プロ(公式HP / インスタグラム)
「誠実なモノづくり」を信条とし、高い専門性を有する編集者が幼児から大人向けまで幅広い年代に向けての学習教材を制作する編集プロダクション。家庭や学校、塾などで日々使われている教材だけでなく各種テストや教養系の一般書などを制作。社会や教育を取り囲む環境の変化に対応するため、新しい技術にも着目し、教育業界の未来も模索しながら、下支えしている会社。社内はフラットに意見が言い合える雰囲気で、パートナー、クライアントからの信頼も厚い。
分数の計算にもう一問挑戦!