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「すごい俳優が出てきた」安達祐実出演のNHKドラマ、“実力派”のキャスト陣にザワザワ… 見事な演技で視聴者を圧倒

  • 2024.12.6
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『3000万』11月23日放送(C)NHK

NHKドラマ『3000万』は、NHKで新たに立ち上げた “脚本開発チーム”WDRプロジェクトから生まれた土曜ドラマだ。放送直後から、主演の安達祐実さんと夫婦役の青木崇高さんの演技、スリリングな展開、緊張感を煽る見事な演出に注目が集まっていた。そんな話題のドラマ『3000万』が11月23日に最終放送を迎え、秀逸なラストが大きな話題となっている。

派遣社員の佐々木祐子(安達祐実)は、楽観的な夫の義光(青木崇高)と息子との暮らしの生計に悩む中、事故を機に不当に3000万円を手にしてしまう。強盗団の金を手にしてしまった祐子の平凡な日常が一変し、予測不能なスリリングな物語が展開する。

今ドラマの魅力のひとつは、夫婦だけでなく強盗組織側の登場人物も含め、それぞれキャラクターの個性が際立ち、物語が描かれている点だ。ここでは、ドラマの大きなカギを握った木原勝利さん演じる坂本と、森田想さん演じるソラに焦点を当てたい。

祐子とソラの女同士の共犯関係

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『3000万』11月23日放送(C)NHK

ソラは、強盗団の一員だったが、ひとりで3000万円を強奪し、逃走中に祐子らが乗る車と事故を起こしてしまう。

一見横柄で冷たい印象のソラだが、母親や詐欺被害者に金を返そうとする行動や「自分で決めたなら覚悟しなきゃ」と祐子に諭す姿からも、自分なりの筋を通すことにこだわる性格であることが伝わってくる。

また、母親から突き放され、帰る場所を失ったことで、祐子につながりを求めているようにも見えた。共犯関係になった祐子とソラの率直で自然なやりとりに好感を抱いてしまう。

ソラを演じた森田さんは、2018年公開の映画『アイスと雨音』にて初主演を務め若手演技派女優として注目を浴びたのち、『辰巳』『朽ちないサクラ』『サユリ』『愚鈍の微笑み』『正欲』など数多くの作品に出演し、先日行われた第16回TAMA映画賞 最優秀新進女優賞を受賞した気鋭の若手女優のひとりだ。

危ないやつだけど共感を呼ぶ坂本

強盗団の指示役である坂本は一見冷徹で残忍な人間のようだが、意外にも身近にいそうなキャラクターとして注目が集まっていた。それは、指示役というポジションに満足できず、組織内で昇進するためにアンガーマネジメントのカウンセリングを受ける姿や、精神統一のために写経を行う姿を見せていたからだ。

一度キレると手がつけられなくなる危うさに反して、組織内で這い上がろうともがく人間らしさはどこか憎めない魅力があり、惹きつけられてしまう

坂本を演じた木原さんは、映画『大阪蛇道〜Snake of Violence〜』(監督:石原貴洋)の鮮烈な風貌と芝居で注目を集め、上京。長編映画初主演となる『わかりません』(監督:片山享)が池袋シネマ・ロサで公開された。さらに、主演した短編映画『寓』(監督:石原理衣・小野川浩幸)が22年10月に開催されたスペインのシッチェス映画祭短編部門にてグランプリを受賞している、実力派俳優のひとりだ。

SNSでも、「久々に引き込まれる凄いドラマだった。特に坂本役の木原勝利って俳優を知ったことが収穫」「木原勝利さんの演技が秀逸だった」「すごい俳優が出てきた」と、坂本のキャラクターと木原さんに注目が集まったことが伺えた。

最終回放送後に大きな反響

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『3000万』11月23日放送(C)NHK

SNSでは最終回放送後、「見ごたえのあるエンターテインメントだった」「最終回までこんなに面白いドラマは久しぶり」「この秋いちばんハマったドラマだった」など、大きな反響が見られた。また、「土曜日の楽しみがなくなっちゃった」「またこの制作陣で作ってほしい」とドラマが終わるのを嘆く声も。

主演の安達祐実さんの熱演にも「最後まで安達祐実から目が離せなかった」「やっぱり安達祐実すごいな」「この演技力があってこその良いラスト」など、賞賛が集まっている。

最終回の余韻と衝撃の声が多数寄せられた今ドラマ。スピンオフも待ち望む声も見られたが、NHKのWDRプロジェクトの第二弾を、期待して待ちたい。

NHK土曜ドラマ『3000万』


ライター:山田あゆみ
Web媒体を中心に映画コラム、インタビュー記事執筆やオフィシャルライターとして活動。X:@AyumiSand