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「新泻」なんて読む? 一部地域で浸透している理由

  • 2024.7.26

言葉は日々移り行くもの。発音にも文字にも「以前は使われていたけれど、今は見かけることが少なくなった」ものがたくさんあります。今回は、そんな文字についてのお話です。

黒柴クロwith亀三兄弟(@4_tvu1)さんが、お祖母さんが書く「とある地名」の漢字についてX(旧Twitter)上に投稿したところ、「初めて見た!」「うちのお祖母ちゃんも使っているよ!」などと注目を集めています。

お祖母さんの書いた文字は、どんなものだったのでしょうか?

その投稿がこちら!

「新潟」ではなく、「新泻」…!「潟」の字を「泻」と省略する書き方です。

「初めて見た!」という方も多いかもしれませんが、実はこれ、現代でも辞書に載っている正しい略字なのです。

江戸時代頃には一般にも広く普及しており、松尾芭蕉や井原西鶴といった有名な文筆家もその書物において「泻」の字を使っています。

明治時代以降徐々に使用が限定されるようになり、今では「潟」の字を使う機会が「新潟」と書く時くらいになったため、ほぼ新潟県の方しか知らない略字になってしまったのだそう。

デジタル機器の普及により、若い世代の方の中には「新潟県に住んでいるけれど知らない」という方もいるそうです。

「佐泻(さがた)さん」など苗字の一部としては残っていたり、まだ現役で「泻」の字を使っている看板もあったりするので、探してみると面白そうですね!

「通じますよ!」新潟県のユーザーから届く現地の声

こちらの投稿にはさまざまなコメントが寄せられていました。

新潟市住まいで役所の書類に住所を何度も書かされてうんざりした自分もこの字を使ってる。通じるんだなぁコレが
仕事では使いませんが、面倒くさがってプライベートは多々使います。通じますよ
面倒な時書く。郵便とか書類には書かないけど
ウチのばあちゃんコレでした!
うちの父もこう書きます
母がこう書きますね〜。氵+写です。私もこれは使わないから、今のシニア世代までなんじゃないかなぁ

新潟県民の方から、「実際に使います!」「使わないけれど読めます!」「ご年配の方には浸透しているイメージ」など、現地の貴重な声が集まっていました。総合すると、新潟県民の方は「ある程度の年齢以上の方は知っているし使う」「若い世代は使わないが知っている」略字のようです。

また、「群馬県にある上越線後閑(ごかん)駅には、実際に『泻』の字を使った『長岡・新泻方面』という看板がある」という情報もありました。

漢字や略字の面白さに気付かせてくれる素敵な投稿でした!



取材協力:黒柴クロwith亀三兄弟(@4_tvu1)さん


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