"786万回再生"を突破した話題のシーン、ついに伏線回収...！→まさかのシュールさに唖然

オープニングテーマのイントロ1時間耐久動画をアップするなんて、異例としか言いようがない。ファンが面白半分でつくるならまだ分かるが、公式が、だ。そんな遊び心満載の試みを放送前から行っていたTVアニメ『しかのこのこのここしたんたん』は、私たちの予想をいい意味で裏切り続けている。

まさかの伏線回収！？虎視虎子の謎ダンス

初回の放送前である5月28日にYouTubeにアップされた『しかのこ』のOPテーマ「シカ色デイズ」のイントロ1時間耐久動画は、7月28日現在786万回再生を突破した。「しかのこのこのここしたんたん、しかのこのこのここしたんたん……」という中毒性の高いフレーズに合わせてノリノリで踊る虎視虎子（こしとらこ）とそれを見つめる鹿の絶妙なシュールさが大きな話題を呼んだ。

だが、第1話が放送されOP映像が解禁されると、耐久動画の謎ダンスシーンは1秒も使われていなかったのだ。これにはYouTubeのコメント欄でもツッコミが多数寄せられた。「本編にない踊りに踊らされた一カ月」というコメントが表すように、謎ダンスはなんだったんだ……と視聴者に思わせるようなインパクトを残した。

順調にアニメが進んだ第3話で、ハッとする。虎視虎子がオリジナルソングである「それゆけ元ヤンこしたん」を披露するシーンで、なんと彼女が耐久動画の謎ダンスを踊っているのだ。予想外の伏線回収をしたわけだが、それでも謎ダンスの実態はよく分からない。たまに手拍子を挟みつつ気持ちよさそうに踊る虎視虎子の姿を見ていると、なんだかこちらまで楽しくなってくるのが不思議だ。

“お約束”をまじえつつ意表を突く『しかのこ』

第2話では、メンヘラ彼女のような性格の虎視虎子の妹・虎視餡子（こしあんこ）が登場。彼女は姉への愛が重すぎる大のシスコンで、姉との関係を揺るがす鹿乃子のこ（しかのこのこ）を排除しようとする。2人はクイズ対決をすることになるが、意外に姉の情報を熟知している鹿乃子のこにブチ切れ、虎視餡子は大量のクナイを投げて実力行使。

そんな中、間違って虎視虎子に投げられたクナイをかばい、鹿乃子のこが倒れてしまう。しかし、懐に忍ばせていた鹿せんべいがお守りのように守ってくれたのだ。カオスであると同時に、まるで映画のワンシーンのような“お約束”の展開だ。姉（兄）が大好きな妹の存在もある意味アニメの定番といえるだろう。

ただ、型破りなところが『しかのこ』の持ち味。第3話では、鹿乃子のこたちがあっという間に3年生に進級する。どうやらキャラクターが年齢をかさねることのない世界で物語が進む“サザエさん時空”ではないらしい。アニメのお決まりの設定や展開をふまえつつ、『しかのこ』ならではの力技で物語がぐいぐい進行していくのが気持ちいい。

カオスな『しかのこ』に対して、困惑してしまう人も少なくないだろう。だが、謎ダンスの伏線回収のように予想の斜め上をいくサプライズが楽しい作品だ。シカ部の新入部員・馬車芽めめ（ばしゃめめめ）だけではなく、登場人物が増えるほど混沌とした展開に拍車がかかりそうな予感がする。

しかのこのこのここしたんたん
ABEMAにて毎週水曜夜11時30分より地上波先行・世界最鹿（速）配信。
※放送4日後の毎週日曜日夜11時30分より、最新話を1週間無料で視聴することができる
［番組URL］https://abema.tv/video/title/675-2
【(C)おしおしお・講談社／日野南高校シカ部】

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ライター：まわる まがり
主にアニメについての記事を書くライター。コラムや映画の作品評、マンガのレビューを手がける。X：@kaku_magari