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【弁護士に聞いてみた】奨学金で親が車を買っていた?! 学費以外に使ったらどうなるの?

  • 2024.7.14
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

経済的に困窮している家庭でも、学費のサポートを受けながら進学できるというありがたい制度の奨学金。ですが、一般的なローンと比べて金利は低いとはいえ、就職したあとも「借金」を抱える形となり、負担に感じている方も少なくないのだとか。

さらに、中には勉学とは別のことに使用してしまう場合もあるのだそう。奨学金に関するトラブルについて、弁護士さんに詳しくお伺いしました。

私の勉強のための奨学金なのに親が…

私は、奨学金を貰いながら大学に通っていました。
ある日、学校が終わり家に帰ると我が家には無いはずの車がありました。両親から「ちょっと中古車を買わせてもらったから」「どうしても欲しくて使わせてもらった」と言われ、ぼうぜん。
親には逆らってはいけないという家だったので頷くしかありませんでした。

結局、父が倒れ、奨学金の分のお金も使われてしまっているため、学費を払うことができず退学。
私が奨学金を返していくことになったのですが、奨学金を学費以外に使うなんてことは許されるのでしょうか?

こちらのケースについて、一歩法律事務所の南陽輔弁護士にお話をお伺いしました。

---このように、奨学金で該当の学生の学問に関するもの以外を購入することは違法ではないのでしょうか?

「奨学金は大学生である子に対して交付されたものですので、それを親とはいえ他人が勝手に使うことは、子に対する窃盗罪(刑法235条)ないしは横領罪(刑法252条)に該当する違法なものといえます。ただし、窃盗罪も横領罪も、直系血族や同居の親族の間の場合には刑が免除されますので(刑法244条、257条)、実際に罪を問うことは難しいでしょう」

---投稿者さんが、ご両親を相手に「他の物品購入に使った奨学金の分を私に返還せよ」と訴えることは可能なのでしょうか?

「上記の通りに、刑事罰を問うのは難しいですが、民事での損害賠償請求は可能です。子の奨学金を親が勝手に使い込む行為は、子に対する不法行為(民法709条)が成立すると考えられますので、子から親に対して不法行為に基づく損害賠償請求が可能です」

---民事としてなら可能なのですね。

「なお、2017年の民法改正により18歳で成人となりますので(民法4条)、子が18~19歳の場合でも、子が自身の判断で親に損害賠償を求めることが可能です」

---もし現在大学生の方から、このような「親が奨学金を使い込んでしまったせいで学費が払えず、大学から退学を迫られている」という相談があったら、どのように回答されますか?

まずは親に請求して、親から回収できないかを考えます。また、同時に大学に事情を説明して学費の支払いを待ってもらえないか交渉することも併せて行いましょう。親の使い込みは子にとっては何ら責任のないもので大変お気の毒なのですが、そのことをもって大学への学費を支払わなくてよいというのはなかなか難しいので、大学には事情を説明して待ってもらうしかないでしょう」

---事情を考慮して、支払い期限を伸ばしてもらえるかもしれないですね。

「また、場合によっては他の親族など、学費の立て替えをお願いできる人がいないか検討することも考えられます」

奨学金は適切に

現在、親が奨学金を使い込んでいて困っているという学生さんがいたら、まずは大学の学生課などで相談してみることから始めると良いでしょう。

奨学金とは、子どもが勉学に励むために交付されたもの。それを阻害するような行為は断じて許されません。勉学を妨げることのないよう、親なのだから自由にして良いだろうという誤解は改める必要がありますね。



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※本記事は媒体独自に募集したアンケートを元に構成しています
・募集方法:インターネットサービスによる任意回答(記述式)
・募集対象:全国の18歳以上
・募集期間:2024/5/31〜6/14