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原作改変をする脚本家への激しい怒り……漫画業界の“リアル”に「エグかった」「秒で終わった」【推しの子】第14話

  • 2024.7.25

脚本家・GOAの脚本に対して不満を爆発させ、「この人ちょっと創作者としてのセンスが……」とまで言い放った「東京ブレイド」の原作者・鮫島アビ子。TVアニメ『【推しの子】』第2期は、開幕早々に修羅場といってもいい展開を繰り広げている。GOAに厳しい言葉を叩きつけたアビ子だが、原作を大幅に改変した脚本への怒り以外にも、彼女の言動には“ワケ”があった。

画期的な2.5次元舞台に衝撃を受けるアクア

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(C)赤坂アカ×横槍メンゴ/集英社・【推しの子】製作委員会

第14話にて、黒川あかねに誘われて2.5次元舞台を観に来た星野アクア。そこでアクアは、4DXのような風の演出や360度回転する客席に衝撃を受ける。

想像の50倍面白かったと語るアクアにゆるゆるな表情を浮かべるあかねは、まるで自分のことを褒められたように心の底からうれしそうだ。第12話でプクーッと膨れるあかねのように、登場人物たちのリアクションがかわいらしい。

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(C)赤坂アカ×横槍メンゴ/集英社・【推しの子】製作委員会

実は、鑑賞した舞台はGOAが脚本を務めていた。「感動代にちょっと小突くくらいはしておくか」とつぶやくアクアは、アビ子の師匠である「今日は甘口で」の原作者・吉祥寺頼子に連絡を取る。少しひねくれた素直じゃない言い方がアクアらしく、母・星野アイから受け継いだ眼の星がまばゆく光っているのが妙に気になる。

有馬かなや鳴嶋メルトもまじえて頼子の家で開かれた食事会の途中、頼子は他人と分かり合いたいのにそれができずに苦しんでいるアビ子について語る。そして、わがままな作家のベビーシッターのような役回りをする編集者などによって、売れっ子の漫画家であるアビ子はますます増長しているのだ。

原作者と編集者のやり取りについて、「人間社会ってホント過酷」「今の漫画業界に一石を投じる内容」との声がSNSであがった。「2.5次元舞台編」を通して、作品に携わるたくさんの人たちの苦労が伝わってくる。私たちが普段楽しんでいるメディアミックス作品も、裏にはこうした背景があるのだろう。

アビ子の“無敵の返し”で喧嘩勃発!

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(C)赤坂アカ×横槍メンゴ/集英社・【推しの子】製作委員会

アクアから渡されたあるものを届けに頼子がアビ子の家に行くと、そこには真っ暗な部屋で漫画を描く彼女の姿が。アシスタントをクビして、たった1人で膨大な作業をこなしていたのだ。荒れ放題な部屋にオーバーした締め切り……。見かねた頼子が背景を描くのを手伝い始める。

「これは間違ってる」「自分が上手くやれないのを人のせいにしてるとしか思えない」という頼子に、「そういうの5000万部売ってから言ってくれます!?こっちはそういうレベルで戦ってるんです!!」と思わずぶちまけるアビ子。

この“無敵の返し”によって、激しい口喧嘩が勃発。これに対してSNSでは「師弟喧嘩」「引き込まれた」「本音でぶつかり合う関係性が好き」との声が。喧嘩から垣間見える原作者同士のメディアミックスについての本音が面白く、なんでも言い合える2人の絆を感じる。自らを“陰キャ”と呼ぶ頼子とアビ子だからこそ、通じ合うものがあるのかもしれない。

思ったことをすぐ口にしてしまう不器用なアビ子は、他人とのコミュニケーションが上手くない。怒り任せにせよ、GOAに厳しすぎる言葉を言い放ったのもこういった彼女の性格が理由だろう。だが、そんなアビ子が抱える問題さえ解消できれば、「東京ブレイド」の舞台もきっといい方向に進むように思う。

アビ子のわがままによってGOAが振り回される被害者のように見えていたが、第14話では漫画家サイドの心情事情が明らかになった。第14話に対してSNSでは「エグかった」「秒で終わった」との声が。原作者と脚本家の想いが錯綜する舞台「東京ブレイド」は、はたして成功するのだろうか。

【推しの子】
ABEMAでは『【推しの子】』第2期を毎週水曜夜11時より地上波同時・無料最速で配信。
放送後1週間、最新話を無料で視聴できる。
[番組URL]https://abema.tv/video/title/25-240?s=25-240_s2&eg=25-240_eg0
【(C)赤坂アカ×横槍メンゴ/集英社・【推しの子】製作委員会】


ライター:まわる まがり
主にアニメについての記事を書くライター。コラムや映画の作品評、マンガのレビューを手がける。X:@kaku_magari