インド式計算法は、計算を効率的に行うための方法です。
日本の小学校では「九九」を学び、それが算数や数学の基本になりますが、九九は暗記する形式で学ぶため、応用が利きにくいという課題があります。
そこで、近年注目されているのが「インド式計算法」です。これは考え方を重視し、実践的な計算力を育てるのに役立つ方法です。
問題
次の計算を暗算しなさい。
18×13
通常であれば筆算で計算をしますが、暗算で求めることができるでしょうか。
まずは答えを出してみましょう。
解説
今回の問題の答えは「234」です。
ここでは、インド式計算法を用いた計算の仕方を紹介します。
また、今回紹介する方法は、11×11から19×19までの計算で同じように利用可能です。
【手順1】
一方の数に、もう一方の数の一の位の数を足す。
(18+3=21または13+8=21)
【手順2】
手順1で求めた数を10倍する。
(21×10=210)
【手順3】
一の位同士を掛け算する。
(8×3=24)
【手順4】
手順2、手順3で求めた数を足すと、これが答えとなる。
(210+24=234)
初めのうちは少し難しく感じるかもしれませんが、慣れると筆算よりも正確に、速く計算できるようになるはずです。
ぜひ繰り返し練習をしてみてください。
計算が成り立つ理由
なぜこの計算が成り立つのか、ここでは数学的に証明をしてみましょう。
さまざまな証明方法がありますが、文字式を使って確認をします。
掛け算をする二つの数を次のように表します。
10+a
10+b
(a、bは1〜9の整数)
「10+a」「10+b」はどちらも11から19までの数のいずれかを表しています。
これらの掛け算なので、(10+a)(10+b)を計算します。
(10+a)(10+b)
=100+10a+10b+ab
=10(10+a+b)+ab
「10+a+b」は、手順1の計算、
「10(10+a+b)」は、手順2の計算、
「ab」は、手順3の計算
をそれぞれ表しており、数学的にも正しいことが確認できます。
まとめ
今回紹介した計算法は、日常生活でも利用できます。
ぜひ繰り返し練習し、計算のスピードを向上させましょう!
※当メディアでご紹介する数学関連の記事においては、複数の解法を持つものもございます。
あくまで一例としてのご紹介に留まることをご了承ください。
文・編集(監修):SAJIMA
日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」
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