1. トップ
  2. 大人が意外と解けない算数「仕入れ値はいくら?」

大人が意外と解けない算数「仕入れ値はいくら?」

  • 2024.6.10
undefined

算数の問題の中でも、仕入れ値や利益などを考える問題を「損益算」と言います。

小学生のときには、「仕入れ値」や「定価」といった概念を正確に理解できず、難しいと感じたかもしれません。

大人になった今だからこそ、損益算に挑戦してみましょう!

問題

ある商品に仕入れ値の30%の利益があるように定価をつけました。
しかし、その値段では売れなかったので、定価の20%引きにすると売れました。
このとき、300円の利益となりました。この商品の仕入れ値を求めなさい。

※消費税は考慮しないものとする

「仕入れ値」「利益」「定価」など、それぞれの関係を間違えないようにしましょう。

解説

今回の問題の答えは「7500円」です。

考え方は次のようになります。

定価

仕入れ値をA円とする。
仕入れ値の30%の利益があるように定価をつけるので
定価=A×(1+0.3)=1.3A円

売値

定価から20%引きするので
売値=1.3A×(1−0.2)=1.3A×0.8=1.04A円
つまり、A円で仕入れて、1.04A円で売ったことになる。

利益と仕入れ値

利益=1.04A−A=0.04A円
これが300円に等しいので、仕入れ値(A円)は
0.04A=300
A=300÷0.04=7500円

したがって、仕入れ値は「7500円」となります。

よくある間違いは
「30%の利益から20%引きするので、差し引き10%の利益」と考えてしまうことです。

これは正しくありません。

20%引きというのは、「定価の20%」です。定価は「1.3A円」と表されているので
1.3A×(1-0.2)
=1.3A×0.8
=1.04A円
となり、値引き後の利益は4%しかありません。

「10%の利益」があるだろうと思って、このような値引きをしてしまうと、実際には「4%の利益」しかないので、この間違いは致命的です。

現実では、消費税や経費など、さらに複雑な計算になります。

まずは、簡略化された「損益算」で正しい計算ができるようになりましょう。

まとめ

損益算は、日常生活でも活用できる計算です。

今回の問題で間違えてしまった方は、ぜひ学び直しをしてみましょう。

※当メディアでご紹介する数学関連記事において、複数の解法を持つものもございます。
あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。


文・編集(監修):SAJIMA
日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」


損益算の問題にもう一問挑戦!

大人が意外と間違える算数「商品の売値はいくら?」
大人が意外と間違える算数「商品の売値はいくら?」