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名探偵コナン、推しの子と同じ…!『怪獣8号』から読み解く、人気作の共通点

  • 2024.6.11
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(C)防衛隊第3部隊 (C)松本直也/集英社

実は主人公には隠された秘密があり、それを知っているのは限られた登場人物と視聴者だけ……。そんな“秘密の共有”に思わずハラハラしてしまうのが、現在放送中のTVアニメ『怪獣8号』だ。怪獣が現れる世界で主人公・日比野カフカは、怪獣と戦った後始末をする清掃員をしていた。カフカは怪獣を討伐する防衛隊員を目指していたが、その夢をあきらめてしまっていた。そんなある日、清掃員に防衛隊員を志す市川レノが加わる。レノや幼馴染である亜白ミナと子どもの頃に交わした約束がきっかけで、カフカは再び防衛隊員を目指すと決心。しかし、突然現れた怪物をカフカが飲みこんだことで、カフカ自身が怪獣となってしまう。

正体がバレるリスクを背負って戦うカフカ

1話目で描かれたカフカが怪獣になってしまう流れは、アニメ初回の掴みとしてとても面白く、早く続きが観たくなるような内容となった。そして『怪獣8号』の面白いところは、自分が怪獣として討伐されるかもしれないというリスクを背負ったまま、カフカが防衛隊員として活躍を見せる点だ。

もし怪獣の秘密がバレてしまったら、幼馴染で防衛隊の隊長であるミナと戦うことになるかもしれない。カフカは「怪獣8号」と名づけられたとても強力な部類の怪獣だ。本当ならミナの横で共に戦うつもりだったカフカだが、いつミナと対立してもおかしくないという緊張感が漂っている。正体を必死に隠しつつ、防衛隊員として怪獣を倒すカフカ。その危険な綱渡りのような姿から目が離せない。

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(C)防衛隊第3部隊 (C)松本直也/集英社

しかし、防衛隊員の中でカフカの正体を知っている者が2人いる。最初にカフカが怪獣になる瞬間を目撃したレノと、並外れたスキルと強さを見せる四ノ宮キコルだ。レノはカフカの人柄に惹かれて慕っており、守りたいと思っている。カフカが油断して変身しないように釘をさすシーンも。キコルは怪獣8号に助けられたのがきっかけで、正体がカフカだと知る。キコルはカフカの言葉に顔を赤らめるなど恋愛感情を抱いているような場面があり、そちらの展開も気になるところだ。

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(C)防衛隊第3部隊 (C)松本直也/集英社

2人はそれぞれカフカに対する想いを抱いており、3人で秘密を共有している。第8話にてレノがカフカにお礼をいったとき、近くにいた古橋伊春(ふるはし いはる)が「助けてくれたのは怪獣8号だろ?」と不思議がり、その場にいたキコルを含めた3人であわててごまかした。カフカの正体がポロッといった一言でバレてしまわないか、観ている視聴者もヒヤヒヤものだ。

『名探偵コナン』『【推しの子】』秘密を持った主人公たち

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(C)防衛隊第3部隊 (C)松本直也/集英社

こういった主人公が秘密を隠している作品は、他の人気アニメでも見られる。たとえば『名探偵コナン』は、工藤新一が黒ずくめの組織に薬を飲まされて体が縮んでしまい、正体を隠すために江戸川コナンと名乗るようになる。登場人物が多い作品であるため、だれがコナンの正体を知っていて、だれが知らないかという正体を巡る相関図も複雑で、スリル感に拍車をかけている。また、2023年に大ヒットした『【推しの子】』も、実はアクアが医者であるゴローが転生した子どもだという大きな秘密を抱えている。人気作品において、隠された正体はつきものなのだ。

カフカが他の登場人物に怪獣の正体を隠しながら戦う『怪獣8号』は、ハラハラしながらも応援したくなる作品だ。第8話では副隊長である保科宗四郎(ほしな そうしろう)と激しい攻防を繰り広げ、怪獣8号がピンチに追いやられた。怪獣8号がミナと相対するのも、時間の問題かもしれない。そのとき、カフカは正体を隠し通せるのだろうか。

怪獣8号
ABEMAにて毎週土曜23時30分より最新話を無料放送。
放送後1週間、最新話を無料で視聴できる。
[番組URL]https://abema.tv/video/title/19-190
【(C)防衛隊第3部隊 (C)松本直也/集英社】


ライター:まわる まがり
主にアニメについての記事を書くライター。コラム、映画の作品評、マンガのレビューを手がける。X:@kaku_magari