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大人が意外と解けない数学「x^2+9x+14」→因数分解すると?

  • 2024.6.18
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今回は中学校数学で習う因数分解からの出題です。

因数分解でつまずく学生は多くいるのですが、実は肩の力を抜いて気楽に考えてみると、パズル感覚で楽しみながら解けるものなのです。

試験の点数や先生からの評価など気にするものがない今こそ楽しく数学を解いてみませんか?

問題

次の式を因数分解しなさい。
x^2+9x+14

因数分解の公式はいくつかありますが、どれも公式で覚えるのではなく、式の意味を理解した方が定着します。

解説

この問題の答えは「(x+2)(x+7)」です。

まずは今回使う因数分解の公式からです。

因数分解の公式
x^2+(a+b)x+ab=(x+a)(x+b)

これは公式だけ見て覚えようとしても、なかなか頭に入ってきません。

そこで、重要なのが式の意味を理解することです。

まずは、aとbに注目していきます。

この公式は、x^2と、aとbを足した数をxに掛けたものと、 aとbをかけた数の全てを足した式になっています。

逆に考えていくと、「足してxの係数、掛けて一番右の数になる二つの数」がaとbに当てはまるということです。

では問題の数式で実際に解いてみましょう。

当てはまるaとbを求めます。足して9、掛けて14になる整数の組み合わせを探していきましょう。

パッと直観的に思いついた場合はそれで問題ありません。

コツコツと探していく場合は、掛けて14になるものから先に調べて、その中で足して9になるもの採用する、という順番が一番近道です。

掛けて14になる二つの整数の組み合わせは

(1,14)、(2,7)、(−1,−14)、(−2,−7)

の四つです。

しっかりと負の数をふくむ組み合わせも調べると他の問題でも応用が効くようになります。

このうち、足して9になる組み合わせは(2,7)ですね。

つまり

x^2+9x+14=(x+2)(x+7)

と因数分解することができます。

ちなみに、中学校ではさらに二種類〜三種類の公式も習いますが、今回ご紹介した公式一つだけで多くの因数分解の問題をカバーすることができます。

xやa、bを置き換えることで他の公式を導くことができてしまうのです。

その他の因数分解の公式
1.x^2−(a+b)x+ab=(x−a)(x−b)
2.x^2−y^2=(x+y)(x−y)
3.x^2+2ax+a^2=(x+a)^2
4.x^2−2ax+a^2=(x−a)^2

1.は上で紹介した公式のaとbの符号を−にすると導くことができます。

2.はaとbをそれぞれyと−yと置き換えて導くことができます。

3.はbをaに置き換え、(x+a)(x+a)=(x+a)^2と変形して導くことができます。

3.と同じように、4.はaとbを−aに置き換えて、(x−a)(x−a)=(x−a)^2と変形して導くことができます。

まとめ

数学は覚えなければいけない公式が多いイメージですが、実は基本の形から導くことができるパターンがほとんどです。

さらに、基本の形も数式だけを覚えるのではなく、意味を覚えることで扱いやすくなります。

数学への苦手意識があったら、気楽に考えてみてくださいね。

※当メディアでご紹介する数学関連記事において、複数の解法を持つものもございます。 あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。


 文・編集:うおうお  数学の教員免許を活かし、個別指導・集団指導の学習塾で主に数学の講師として小学生から高校生までを指導。現在は民間学童保育所で放課後児童支援員として勤務しながらフリーランスで受験指導もしている。日々、小学生の宿題指導を通して算数の魅力を深掘りし楽しく伝えている。

監修:株式会社かえでプロダクション(公式HP

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「編集技術で過去と未来をつなぐ」小学生・中学生・高校生の学習用教材を執筆・編集・校正する編集専門のプロダクション。英語・算数/数学・国語・理科・社会の主要5科目のテキストやドリル、テストや模試、デジタル系の教材など幅広く制作。教材からできる教育を目指し、教育業界を支える会社。会社独自の福利厚生が充実しており、社員が働きやすい環境を整え、新しい働き方で第三者機関から認定を受けている。


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