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大人が意外と忘れている算数「2/3÷4/5」→秒で解ける?

  • 2024.5.23
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分数の計算の中でも、割り算はミスをしやすい計算の一つです。

分数の割り算で使われる計算法則と、なぜその計算式が成立するかまで考えてみましょう!

問題

次の計算をしなさい。
2/3÷4/5

計算ができた方は、途中式も含めてなぜそのような計算が成り立つのかを考えてみましょう。

解説

今回の問題の答えは「5/6」です。

また、途中の計算は次のようになります。

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分数の割り算は「逆数にして掛け算」に変形することができます。

「逆数」というのは、分数の分母と分子を入れ替えた数です。
(正確には「ある数に掛け算した結果が 1 となる数」と定義されます)

「4/5」の逆数は「5/4」なので、今回の計算式は

2/3÷4/5
=2/3×5/4
と変形することができます。

その後、約分できるものを約分すれば、分母同士、分子同士で掛け算して、それが答えとなります。

さて、分数の割り算は「逆数にして掛け算」と説明しましたが、これはなぜでしょうか。

「学校でそのように習ったから」という方も、もう一歩先を考えてみましょう。

分数の割り算が逆数の掛け算に変形できる理由

説明をする前に、必要な事前知識が二つあります。

1 .割り算は分数にできる。

「◯÷△=◯/△」のように、割り算は分数で表すことができます。

2 .分数の分母・分子に同じものを掛けても大きさは変わらない。

例えば「1/2」の分母・分子をそれぞれ2倍して「2/4」としても、大きさは変わりません。(1/2=2/4)

これらを利用して、分数の割り算が逆数の掛け算に変形できる理由を説明します。

まず、元の割り算を分数の形で表しましょう。分母・分子が分数になり、より複雑になっていますが、このような表し方も間違いではありません。

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次に、この分数の分母と分子に同じ数(4/5)を掛けます。

すると分母が「5/4×4/5 =1」となりますね。

分母の「1」は省略することが可能なので、「2/3 × 5/4」となりました。

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まとめ

分数の割り算は「逆数にして掛け算」という手順は小学校で習います。

その「やり方」を覚えていても、理由まできちんと知っていたでしょうか。

計算だけでなく、このような理由まで知っていると、算数も楽しくなるはずです!

※当メディアでご紹介する数学関連の記事においては、複数の解法を持つものもございます。
あくまで一例としてのご紹介に留まることをご了承ください。


文・編集(監修):SAJIMA

日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」


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