タイプが違うと思っていた相手でも、誕生日が同じと知ると親しみを感じたことはありませんか?
これは、誕生日が重なることが珍しいと思っているから生まれる感情かもしれません。
では、実際に誕生日が同じ確率はどれくらいなのでしょうか?問題を解いて確かめてみましょう。
問題
六月生まれの人が五人います。
この中に同じ誕生日の人がいる確率は次のうちどれでしょうか。
1.約5%
2.約15%
3.約30%
解説
正解は「約30%」です。
では、計算方法を確認していきましょう。
五人全員の誕生日が違う確率を計算しましょう
この問題を解くには、まず五人全員の誕生日が違うパターン数を求めるところから始めます。
一人目の誕生日は、六月の日数30日すべてから選べるので30パターンあります。
次に二人目の誕生日は、日付以外を選ぶ必要があるので、30日-1パターン=29パターンが考えられます。
三人目の誕生日は一人目、二人目の日付以外になるので、30-2=28パターンです。
同じく四人目は30-3=27パターン、五人目は30-4=26パターンの誕生日が考えられます。
よって、五人全員の誕生日が違うパターン数は、30×29×28×27×26で求められます。
これに対して(日付被りあり、なし関係なく考えた)五人すべての誕生日のパターン数は、一人目~五人目までそれぞれ30パターンずつあるため、30×30×30×30×30で求められます。
よって、六月生まれの五人すべての誕生日が違う確率は次の通りです。
(30×29×28×27×26)÷(30×30×30×30×30)=0.70373333…
%表記に直すと、約70%になります。
五人の中に同じ誕生日の人がいる確率を求めましょう
ここで問題に戻りましょう。
問題では「同じ誕生日の人がいる確率」を問われています。
この確率は1=100%(全体)から先ほど求めた「五人全員の誕生日が違う確率」を引けば求められます。
100%-約70%=約30%
これで答えが出ましたね。
ポイント
この問題のポイントは、同じ誕生日の人がいる確率をどのように求めるかです。
五人の中で同じ誕生日の人がいるという状況には、実に様々なパターンがあります。
例えば「AさんとBさんの誕生日が五日」「BさんとCさんとDさんの誕生日が十日」「五人全員の誕生日が三十日」…。
どれも、「五人の中で同じ誕生日の人がいる」状況です。
このパターンをすべて数え上げるのは至難の業、どこかで数え方を間違えれば計算が狂ってしまうでしょう。
そこで、まずは考え方が簡単な「五人全員の誕生日が違う確率」を求めたのです。
最後に全体の100%から「五人の誕生日がすべて違う」確率を引けば、「五人の中で同じ誕生日の人がいる」確率が求められます。
まとめ
今回は、誕生日が同じである確率の問題に挑戦しました。
五人という少人数の中でも約30%は誕生日が被るという結果、思ったよりも多いなと感じた人もいるのではないでしょうか。
このように世の中には、確率の計算結果を見ると意外に見える事柄がたくさんあります。
ちょっと意識すると、日常の中に意外な発見ができるはず。
こちらの問題に関連した動画がYouTubeにて公開されています。ぜひYouTubeチャンネルにも足を運んでみてくださいね!
動画:『同じ誕生日の人が居る確率は?参考動画』
協力:『大人の数トレチャンネル』
執筆:VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。
監修:堀口智之(ほりぐち ともゆき)
和から株式会社代表取締役
大人のための数学教室「和」(なごみ) 創業者
大人の数トレ教室 代表
一般社団法人ビジネス数学協会 理事
2010年に、日本で初めて「社会人専門の数学教室」を創業。講師40名、累計受講者20,000人を超えるほどに成長。日本最大級数学イベント「ロマンティック数学ナイト」の企画・創設。延べ10万人以上が参加。2022年に、youtube「大人の数トレチャンネル」を本格稼働を開始。約1年でチャンネル登録者数4万人を超えるまで成長。
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