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大人が意外と解けない数学「1個のサイコロを投げて→奇数の目が出る確率は?」

  • 2024.4.9
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「降水確率」や「宝くじが当たる確率」など、日常生活では「確率」という言葉を見かけることがあります。

これは数学的にはどのような意味になるか、正しく理解できているでしょうか。

この記事では、数学では確率をどのように考えるかを解説していきます。

問題

(問題1)
1個のサイコロを投げるとき、奇数の目が出る確率を求めなさい。
サイコロの出る目の確率は、同様に確からしいとする。

「同様に確からしい」という表現は、日常ではあまり使いませんが、どのような意味でしょうか。

これは、どの場合が起こることも同じ程度に期待できるという意味です。今回の場合では、1から6までの目が等しく出るサイコロを使っているということになります。

数学では、サイコロやコイン投げ、くじ引きなどが問題になることが多いですが、特別な記載がなければ「同様に確からしい」と考えるのが一般的です。

解説

さて、今回の問題は解けたでしょうか。

答えは「1/2」です。

確率を求めるには、「すべての場合の数」と「ある事柄が起こる場合の数」をそれぞれ求めなければいけません。

今回の問題では次のようになります。

すべての場合の数
=サイコロの出る目すべて
=6通り(1・2・3・4・5・6)

ある事柄が起こる場合の数
=奇数の目が出る場合
=3通り(1・3・5)

したがって、奇数の目が出る確率は
3/6 = 1/2
となります。

「確率」とは

「確率」とは、ある事柄が起こると期待される程度を数で表したものであり、次のように計算ができます。

確率=(ある事柄が起こる場合の数) / (すべての場合の数)

日常生活では「%」を用いて表すことが多いですが、数学では小数や分数で表すのが一般的です。

例えば、30%の確率というのは、0.3や3/10(10分の3)というのと同じです。

また、必ず起こる確率は「1(100%)」、決して起こらない確率は「0(0%)」として、0以上1以下の値で確率を考えなければいけません。

「120%の確率で成功する!」といった表現は、単なる強調表現であり数学的な表現ではありません。

確率の計算

ここでは例題を解きながら、確率の計算の仕方を確認しましょう。

コイン投げの問題

(問題2)
2枚のコイン投げるとき、2枚とも表が出る確率を求めなさい。

こちらもよく見かける確率の問題ですね。まずは自分自身で解いてみてください。

この問題の答えは「1/4」です。

「すべての場合の数」は、2枚のコインの表・裏の組み合わせすべてということになります。

(表・表)、(表・裏)、(裏・表)、(裏・裏)の全部で4通りです。

そのうち、「2枚とも表」となるのは1通りしかありません。

したがって、求める確率は1/4です。

よくある間違いは次のように考えてしまうことです。

・表が2枚、裏が0枚
・表が1枚、裏が1枚
・表が0枚、裏が2枚
この3通りだから、2枚とも表は1/3

これは「表が1枚、裏が1枚」のとき、2枚のコインを区別していないため間違いです。表になったのがどちらのコインなのかを分けて考えなければいけません。

まとめ

確率は、日常生活でもよく利用する考え方です。そして、確率を計算すると直感とは違った結果になるということがよくあります。

きちんと数式を交えて考えることで、正しい確率を求めるようにしましょう!

※当メディアでご紹介する数学関連記事において、複数の解法を持つものもございます。
あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。


文・編集(監修):SAJIMA
日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」