時間や距離の単位変換が必要な問題で、「落ち着いてやれば分かったはず」と思ったことはありませんか。
学生時代のテストでは制限時間もあり、苦手意識をもっていたという方も多いようです。
そこで今回は、一瞬で速さの単位変換ができる裏ワザをご紹介します!
問題
時速54㎞の自動車は、12秒間で何m進みますか。
この問題を解くには「時速54km」で1秒間に進む速さ(秒速何m)を求める必要があります。
そのためには「時間→秒」「km→m」の2つの単位を変えることがポイントとなります。
解説
今回の問題の答えは「180m」です。「時速◯km」から「秒速△m」に変換する必要がありますが!
実は、「時速○㎞」から「秒速△m」への変換は「◯÷3.6」を当てはめるだけです。
時速54kmなので、
54(時速/km)÷3.6=15(秒速/m)
よって、秒速15m×12秒=180m
「秒速15m」で12秒間走るので、15×12=180となり答えは「180m」です。
とても簡単ですね!
「÷3.6」の意味
この「÷3.6」という数字は何の数でしょう?
まず「時速◯km」を秒速に変換することを考えます。
時速は「1時間に◯km進む」を表しています。
1km=1000mなので、(○×1000)mと表すことができます。
また、1時間=(60×60)秒=3600秒ですね。
3600秒で(◯×1000)m進むということなので、1秒間で進む距離は(◯×1000÷3600)m
となります。
「÷3.6」は、「1000を掛けて、3600で割る」という計算を「3.6で割る」という計算式に置き換えたものです。
よって
(◯×1000÷3600)m
=(◯÷3.6)m
=時速÷3.6=秒速(m)が成立します。
まとめ
ここでは、「時速◯km」から「秒速△m」に変換するのに「◯÷3.6」と計算しました。
逆に、「秒速△m」から「時速◯km」に変換するのは、「△×3.6」で求めることができます。
この計算方法を知っていると、一瞬で答えを出すことができますね。
「速さ」の計算が苦手だった方は、ぜひ活用してみてください!
※当メディアでご紹介する済額関連記事においては、複数の解法を持つものもございます。
あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。
文・編集(監修):SAJIMA
日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」