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大人が意外とわからない数学「1つの内角が150°→正何角形?」→実は一瞬で解けるんです

  • 2023.12.31
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「多角形の角度」と言われると、内側の角(内角)をパッとイメージするのではないでしょうか。

数学では、内角だけではなく、外側の角(外角)を用いて、問題を解くこともあります。

「外角の性質」は忘れている方も多いかもしれません。今回は、外角をうまく利用して問題を解いてみましょう!

問題

1つの内角が150°の正多角形は正何角形ですか。

この問題はいくつかの解法がありますが、「外角の性質」を利用して解くのが、計算が少なく答えを求めることができます。

どのように「外角」を利用すればよいのでしょうか。

 

さて、今回の問題の答えは「正十二角形」です。

解説

そもそも「外角」というのは、どの角度のことでしょうか。

外角:1つの辺ととなりの辺の延長がつくる角

三角形ではあれば、下図の印をつけた部分が外角となります。

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また、内角と外角は隣り合う角のため、「内角と外角の和は180°」になります。

そして、次の性質が今回の問題を解く上で重要な性質です。

どのような多角形であっても、外角の和は360°である。

三角形であっても四角形であっても、外角の和は360°なのです。

さて、今回の問題、求める図形は「正多角形」です。つまり、すべての角の大きさは等しいということです。

1つの内角が150°なので、外角は30°ということが分かります。(内角と外角の和は180°だから)

そして、外角の和は360°であり、正多角形なのですべて等しい大きさ(30°ずつ)です。

したがって、360÷30=12なので、12個の角があります。

つまり、求める図形は「正十二角形」ということになります。

n角形の外角の和が360°であることの証明

今回の問題を解くために「どのような多角形であっても、外角の和は360°である」という性質を利用しましたが、これを証明してみましょう。

ここでは、n角形の内角の和が180(n-2)であることを利用します。
これは、多角形がいくつの三角形に分割できるかを考えると求めることができます。
四角形→三角形が2つ(180×2)
五角形→三角形が3つ(180×3)
六角形→三角形が4つ(180×4)
・・・
n角形→三角形が(n-2)個(180(n-2))

隣り合う内角と外角の和は180°です。

n角形には、頂点がn個あるので、すべての内角とすべての外角の大きさを合わせると180nとなります。

つまり
(内角の和)+(外角の和)=180n
180(n-2) +(外角の和)=180n

よって
(外角の和)
=180n - 180(n-2)
=180n - 180n - 360
=360

まとめ

「外角の性質」は意外と忘れている方も多かったのではないでしょうか。しかし、正多角形に関する問題では、うまく利用するととても簡単に問題を解くことができてしまいます。

忘れていた方は、ぜひ学び直しをしてみてください!


文・編集(監修):SAJIMA

日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」