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大人が意外とわからない「60%が21人の場合、100%は何人?」→実はシンプルに解けるんです

  • 2023.12.21
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く:比べる量
も:元にする量
わ:割合

これらの頭文字をとって、割合の計算をするときの「公式」として、一部の小学校で学習をしているようです。

しかし、数字を当てはめるだけの算数では、本来の「割合の意味」がわからないままとなってしまうので、とても危険です。

公式の暗記ではなく、きちんと意味を理解した上で問題が解けるようになりましょう。今回は、割合の問題に挑戦です。

問題

クラスの60%が女子で、女子の人数は21人です。このクラスの生徒は何人ですか?

公式を暗記していると、もしその公式を忘れてしまった場合「わり算をすればいい?かけ算をすればいい?」「比べる量って何のこと?」となり、全く対応ができなくなってしまいます。

「クラスの60%が女子」というのが、どういうことを表しているのかをしっかり考えると、公式がなくても解くことができます。

 

さて、今回の問題の答えは「35人」です。

解説

割合というのは、全体を100%としたときに、どれくらいの量なのかを表したものです。

そのうち、1%というのが、全体を100等分したうちのひとつということです。

今回の問題は「クラスの60%が女子」ということですが、クラス全体を100としたとき、60の割合が女子という意味になります。

これを分数で表すと60/100、つまり約分をすると3/5です。

線分図にして考えてみましょう。クラスの3/5が女子です。3/5はもちろん「5つに分けたうちの3つ分」ですね。

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この人数が21人ということがわかっています。

ということは、1めもりが何人分になるでしょうか。

3めもり=21人なので、
1めもり=21÷3=7人です。

クラスの人数は5めもりとなるので、7×5=35。したがって「35人」が答えとなります。

「くわも」の公式に当てはめて計算すると、比べる量21人、割合60%(0.6)なので、21÷0.6=35で、35人になります。

公式を覚えていなくても「割合の意味」をしっかり理解していると、シンプルな計算で求めることができますね!

まとめ

「公式に当てはめる」というのは、一見すると簡単な作業のように思えますが、本来の意味を考えずに答えを求めることになるので、中学・高校と単元が進み、より複雑な状況を考える場面になって苦労することがあります。

「公式の暗記でテストを乗り切っていた」という方も、この機会に学び直しをしてみましょう!


文・編集(監修):SAJIMA

日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」