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大人が意外と分からない算数「放物線のグラフはどれ?」

  • 2023.12.15
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「関数」というのは、xとyの関係を式で表したものです。

式で表されている関数は、グラフで図示することが可能です。

中学・高校の数学では、さまざまな関数を学習したはずですが、「どのような式がどのようなグラフになるのか」覚えているでしょうか。

今回は、関数のグラフにはどのような種類があるか確認してみましょう。

問題

次のグラフのうち「放物線」のグラフはどれでしょう?

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画像:筆者作成

4種類の式とグラフから「放物線」を選ぶ問題です。

放物線というのはどのようなグラフだったか覚えていますか?

 

答えは「ウ. y=3x²」です。

解説

「放物線」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。

もちろん数学の授業でも習いますが、野球中継を観る方は、解説で「ボールが放物線を描いてスタンドに入った!」という表現を耳にしたことがあるのではないでしょうか。

「放物線」というのは、その漢字の通り「物を放り投げたときに描く線」です。

数学的には「2次関数」のグラフが放物線になります。つまり、放物線を描いている「ウ」のy=3x²の式が正解です。

物を投げたときは、重力によって下に引っ張られるため、必ず山なりの曲線になります。
そこで上下を反転させると、今回の問題のグラフになります。

その他のグラフも確認してみましょう。

ア. y=2x

「ア. y=2x」は、直線のグラフです。これは「比例」のグラフですね。

「一方を2倍、3倍・・・とすると、もう一方も2倍、3倍・・・となる関係」を比例といいます。これは変化の割合が常に一定なので直線のグラフとなります。

イ. y=5/x

「イ. y=5/x」は「反比例」のグラフです。

「一方を2倍、3倍・・・とすると、もう一方も1/2、1/3・・・となる関係」のことです。

グラフは2か所に曲線ができています。これら全て合わせて反比例のグラフであり「双曲線」という名前がついています。「双子の曲線」というイメージですね。

エ. y=3x³-3x+1

最後に「エ. y=3x³-3x+1」は、少し見慣れないグラフだったかもしれません。これは「3次関数」のグラフです。

2次関数が、谷もしくは山がひとつだけのグラフなのに対して、3次関数では、谷と山がひとつずつとなります。
(式によっては、谷も山もできない場合もあります)

今回は問題になっていませんが、4次関数、5次関数と数字を大きくしていけば、グラフの山や谷の数が増え、より複雑なグラフになっていきます。

まとめ

関数の式とグラフについて見ていきました。

現在では当たり前のように学習していますが、式とグラフを結びつけて考えることは、歴史的にとても画期的なことでした。

「計算をするための式(代数学)」と「図形的なグラフ(幾何学)」が結びつくことによって、それまで無関係だと考えられていた分野同士が繋がり、数学の研究が大きく進んだと言われています。

そして、その基礎となる考え方を作ったのが17世紀の哲学者デカルトだと言われています。

歴史的な背景を知ると、数学も面白く感じますね。


文・編集(監修):SAJIMA

日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」