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【プロ野球】去就未定の選手達は果たして…シーズンオフの移籍情報まとめ

  • 2023.12.5
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写真:PIXTA

プロ野球も日本シリーズ、各種表彰の発表などが終わり、本格的にストーブリーグに突入しました。“ストーブリーグ”とは、各球団が次のシーズンに向け、戦力補強などを行う時期のこと。トレードやフリーエージェント(FA)での移籍が活発に行われ、12球団が戦力の整備を進めています。

11月30日時点での移籍情報をまとめて、注目の移籍選手などを紹介します。

2023年度 プロ野球移籍選手リスト(※2023年11月30日時点)

【FA移籍】

西川龍馬 広島→オリックス
山﨑福也 オリックス→日本ハム

【トレード】

ウォーカー 巨人→ソフトバンク
近藤大亮 オリックス→巨人(金銭トレード)
黒木優太 オリックス→日本ハム
高橋礼 ソフトバンク→巨人
泉圭輔 ソフトバンク→巨人
吉田輝星 日本ハム→オリックス

【その他】

山本泰寛 阪神→中日
板山祐太郎 阪神→中日(育成契約)
北條史也 阪神→三菱重工West(社会人)
鍵谷陽平 巨人→日本ハム(育成契約)
堀岡隼人 巨人→DeNA(育成契約)
中島宏之 巨人→中日
中川颯 オリックス→DeNA
嘉弥真新也 ソフトバンク→ヤクルト
森唯斗 ソフトバンク→DeNA
増田珠 ソフトバンク→ヤクルト
上林誠知 ソフトバンク→中日
舟越秀虎 ソフトバンク→巨人(育成契約)
西川遥輝 楽天→ヤクルト

【主な去就未定選手】

山本由伸 オリックス→?(ポスティング)
山川穂高 西武→?(国内FA行使)
中田翔 巨人→?(契約破棄)
今永昇太 DeNA→?(ポスティング)
松井裕樹 楽天→?(海外FA行使)
上沢直之 日本ハム→?(ポスティング)
平井克典 西武→?(国内FA行使)
石田健大 DeNA→?(国内FA行使)
バウアー DeNA→?(自由契約)

FA移籍を決断した西川選手と山﨑選手

選手が自らの権利で移籍先を選択できるFA。今オフはすでに西川龍馬選手が広島からオリックスへ、山﨑福也投手がオリックスから日本ハムへの移籍を決断しました。

西川選手は巧みなバットコントロールで“天才打者”と称される球界を代表するバッターで、今季も109試合に出場して打率.305、NPB通算打率も.299を誇っています。移籍先のオリックスは今季までリーグ3連覇を成し遂げている強豪ですが、昨季は吉田正尚選手がメジャーリーグのレッドソックスへ移籍、今オフも前述の山﨑投手が日本ハムへ、エース・山本由伸投手もメジャー移籍が確実視されており、4連覇へ向けて戦力補強は急務。西川選手の獲得で課題の打撃力を補填し、来季は西川選手に加えて首位打者経験のある頓宮裕真選手、森友哉選手との強力クリーンアップが見られるでしょう。

そのオリックスからは山﨑投手が日本ハムへと移籍。日本ハムは今季最下位に沈んだうえ、エースの上沢直之投手がポスティングでのメジャー移籍を表明。先発ローテを任せられる投手の獲得はこの負の至上命題でした。複数球団との争奪戦の末、山﨑投手を獲得できたことはチームとしてはかなり大きな補強となったはずです。

今オフはトレードが活発に

当該球団同士が選手と選手、もしくは選手と金銭を交換するトレードは、現時点で3件が成立。その中でもファンを驚かせたのが、吉田輝星投手(日本ハム→オリックス)と黒木優太(オリックス→日本ハム)のトレードではないでしょうか。吉田投手は2018年夏の甲子園で秋田代表・金足農業のエースとしてチームの準優勝に貢献。全国に「金農旋風」を巻き起こした立役者で、同年ドラフト1位で日本ハムに入団しています。プロ4年目の2022年には主にリリーフとして51試合に登板するなど、順調にキャリアを積んでいましたが、今季は一軍で3試合の登板のみ。ドラフト1位選手が入団5年でトレードされるのはNPBでは異例と言えますが、このトレードを機に、一軍で覚醒する姿を見せてほしいところです。

また、巨人とソフトバンクの間では、ウォーカー選手と高橋礼投手、泉圭輔投手のトレードが成立。外国人選手がトレードで放出されるのもまた、NPBではレアなケースです。ウォーカー選手は今季こそ不調に苦しみましたが、昨季は23本塁打を放つなどパワーは抜群。今季、巨人からロッテへと移籍して本塁打王に輝いたボランコ選手のような活躍も期待されます。高橋選手は球界でも稀なアンダースローの投手。2019年には12勝、2020年には52試合で23ホールドをマークするなど、先発、リリーフどちらでもこなせるユーティリティ投手です。泉投手はまだ26歳と若く、それでいて2022年までは3年連続30試合以上に登板する“経験”があります。新天地でもおそらくリリーフでの起用となるはずですが、復活を期す巨人にとって貴重なピースとなってくれるはずです。

去就未定の選手達は果たして…

また、去就が未定の選手の中にも実力者は大勢います。ポスティングやFAでメジャー移籍を目指す山本投手、上沢投手、松井裕樹投手、今永昇太投手は、来季海の向こうでの活躍が楽しみな選手ですし、今季DeNAでプレーしたバリバリのメジャーリーガー、バウアー投手はメジャー復帰か国内移籍か、はたまたDeNA残留か未知数。欲を言えば1年でも長く、超一流の投球を日本で見たいところです。

野手では西武の山川穂高選手、巨人の中田翔選手と言った球界を代表する大砲が移籍濃厚。彼らが「どこへ移籍するか」が来季のプロ野球戦力図にも大きく影響するはずです。

ほとんどの場合、国内移籍は年内に契約がまとまります。あと1ヶ月の間にどんな戦力移動が起こるのか……ファンのみなさんも、その動向に注目してみてください!


花田雪(Kiyomu Hanada)
1983年、神奈川県生まれ。編集プロダクション勤務を経て、2015年に独立。ライター、編集者として年間50人以上のアスリート・著名人にインタビューを行い、野球を中心に大相撲、サッカー、バスケットボール、ラグビーなど、さまざまなジャンルのスポーツ媒体で編集・執筆。著書に『あのプロ野球選手の少年時代』(宝島社)『オリックス・バファローズはいかに強くなったのか』(日本文芸社)がある。

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