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「来ないで看板」まで設置された《渋谷ハロウィーン》、今年はどうなる?【警視庁の見解を聞いてみた】

  • 2023.10.31
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写真:PIXTA

いつからか、ハロウィーンの時期になると仮装した若者たちが集う場となっている渋谷。例年11月1日ごろには、渋谷でハロウィーンを楽しむ人々の様子がテレビなどで放映されますね。いわゆる「渋ハロ」と呼ばれる文化です。
しかしやはり毎年物議を醸すのは、「渋ハロ」に訪れた人々のトラブルや暴動などの事件。今年は渋谷区長の「渋ハロに来ないで」という呼びかけにも注目が集まっています。今回は、そんな「渋ハロ」について、警視庁への質問も交えつつ深掘っていきます。

「渋ハロ」はいつから?

今でこそ「渋ハロ」といえば、「ハロウィーンの日に渋谷に集まること」を指していると多くの人が認識していると思います。しかしこれは、企業や自治体が公式に開催しているものではないため、自然発生的に始まったものと考えられます。

そもそも、ハロウィーンの文化自体が日本に浸透し始めたのは、2000年に入ってから。(※諸説あります。)

東京ディズニーランドでは、1997年に最初のハロウィーンイベントを開催し、当時は10月31日当日の1日のみ開催されたようです。

1997年のパークでの初めてのハロウィーンイベントは10月31日だけの開催でした。

それから徐々に盛り上がりを見せていった「ディズニー・ハロウィーン」。
今では秋の定番イベントとなっていますね!(東京ディズニーリゾート公式サイト)

少なくとも1997年の時点では、まだ認知度の高いイベントではなかったようです。となると「渋ハロ」も、1997年以降に浸透していったと考えられますが…。

1998年生まれの筆者は5〜6歳の頃に、近所でハロウィーンのイベントに参加したことを記憶しているので、2003年ごろにはかなり一般的になっていた可能性が高いと推測できます。多かれ少なかれ、この頃には渋谷で仮装などを楽しむ人がいたかもしれませんね。

これまで渋ハロ関連で逮捕された人の数は?

「渋ハロ」と聞いて、顔をしかめる人も少なくないでしょう。それもそのはず、毎年ハロウィーンの翌日には、ゴミで溢れた渋谷の様子や、酔って騒ぐ人々の映像などがテレビニュースで報道されています。

コロナ禍以前には、酔った人々がトラックを横転させるなど、かなり派手な事件も報道されていました。

しかし、近年の「渋ハロ」は少しずつ改善の兆しを見せているようです。

逮捕者件数に関する警視庁の回答によると、

近年のハロウィーン当日から翌日の早朝にかけての渋谷署における逮捕件数は、次のとおりです。
平成29年~7件、 平成30年~13件、 令和元年~9件、 令和2年~1件、 令和3年~2件、 令和4年~0件
(警視庁回答)

とのこと。

以下のグラフは、上記のデータをもとに推移を可視化したもの。全てが渋ハロ目的で来た人たちによるものではないかもしれませんが、昨年令和4年には0件と、逮捕件数が明らかに減少していることがわかりますね。

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データをもとにTRILLが作成

コロナウイルスによる外出自粛の影響もありそうですが、節度を持って楽しめる人が年々増えているのかもしれませんね。

今年の「渋ハロ」に関して警視庁の対応は?

今年は渋谷区長である長谷部健氏が、「渋ハロに来ないで」と呼びかけ、話題となっています。JR渋谷駅前には「渋谷はハロウィーンイベントの会場ではありません」と書かれた大きな看板が掲示され、SNSで反響を呼んでいます。

そこで、警視庁として呼びかけを行っているのか伺ったところ、「渋ハロ」に関する呼びかけは行っていないとのこと。対策に関しては、以下の回答をいただきました。

人の滞留や転倒などが発生しないよう、必要に応じて、機動隊の広報係員等による現場での広報を行い、事故防止に努めます。
(警視庁回答)

先述の通り、コロナ禍以降の逮捕件数は減少しているよう。今年も事故や事件ゼロで安全に10月31日を終えられることを願うばかりです。

節度を持って楽しみましょう

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写真:PIXTA

仮装やパーティで、非日常を楽しむことができる「ハロウィーン」。ついつい多くの人が集まる場所で盛り上がってみたくなりますが、場所や立場をわきまえて、良識を持った楽しみ方ができると良いですね。

渋谷区長が呼びかけているように、今年のハロウィーンは渋谷ではなく、お家やお店で楽しんでみてはいかがでしょうか。

※お酒は20歳になってから。


取材協力:警視庁