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「3²⁰」と「6¹⁰」どちらが大きい?大人が意外とわからない中学数学

  • 2023.12.8

指数を用いた表し方は数字が大きくなるほど、難しく感じますよね。

しかし指数の性質をうまく使って式変形をすると、複雑な問題も実は簡単に解くことができます。

今回は、指数を用いた数の大小を比較する問題に挑戦してみましょう。

大小比較のポイントは、比べやすいように「同じ形の部分」を作ることです。

数学の力だけでなく「隠れた共通点を探す力」が求められます。

問題

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「3の20乗」と「6の10乗」、どちらが大きいでしょうか?

A. 3の20乗の方が大きい
B. 6の10乗の方が大きい
C. どちらも同じ

一見、直感で判断するのは難しいですが、式を変形してみると見えてくるものがあります。

3の20乗は、3を20回かけたもの。

6の10乗は、6を10回かけたものです。

ただ、数を比べるには計算しなければならない…と思いがちですが、実はもっと簡単な方法があるのです。

答えはわかりましたか?

 

答えは「A. 3の20乗の方が大きい」です。

解説

3の20乗と6の10乗を比較するためには、うまく式変形をして、それぞれの共通部分を作って考えると簡単です。

 

まず6の10乗は、次のように変形が可能です。

(6の10乗)
=6×6×6×・・・×6【6を10個】
=(2×3)×(2×3)×(2×3)×・・・×(2×3)【6を2×3に分解】
=(2×2×2×・・・×2)×(3×3×3×・・・×3)【2と3をそれぞれでまとめる】
=(2の10乗)×(3の10乗)

 

次に3の20乗を次のように変形してみましょう。

(3の20乗)
=3×3×3×・・・×3【3を20個】
=(3×・・・×3)×(3×・・・×3)【10個と10個でまとめる】
=(3の10乗)×(3の10乗)

 

さて、これで「3の20乗」と「6の10乗」の比較だったのが、
「(3の10乗)×(3の10乗)」と「(2の10乗)×(3の10乗)」の比較ということになりました。

 

「3の10乗」が共通している状態で、「3の10乗」と「2の10乗」、どちらが大きいかを比較すれば良いのです。

あきらかに「3の10乗」の方が「2の10乗」よりも大きいので、結果は以下のようになります。

3の20乗>2の10乗×3の10乗



よって、答えは「A. 3の20乗の方が大きい」ということになります。

まとめ

今回のように異なる指数を持つ数の比較は、基数を統一することで簡単に答えを出すことができます。

複雑に見えるものも、その性質をよく理解していれば、大小を見分けるのはそれほど難しくありません。

実際に値を計算すると、下記の通りです。

3の20乗=3,486,784,401
6の10乗=60,466,176

6の10乗は、3の20乗に比べるとずっと小さい数になるのですね!

 


文・監修:SAJIMA

日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」。