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【大人も分からない算数】「0÷0」の本当の答えって何?!

  • 2023.12.1
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わり算の答えは分数の形で表すことができるというのは、皆さんご存知の通りです。

例えば、1÷3を計算すると、0.333…とわり切れないですが、これは1/3(3分の1)と表されます。

わり算と分数の関係は次のようになります。

a÷b=a/b (b分のa)

では、「0を含んだわり算」「0を含んだ分数」というのは、どのようになるのでしょうか。

「0なんて簡単じゃないの?」と思われるかもしれませんが、数学ではとても重要な数のひとつであり、計算は不思議な結果になることもあります。

今回の問いは、簡単そうに見えて大人も意外と分からないかも。ぜひ「数の不思議」に触れ、数学の面白さを感じてください!

問題

0/0 (0分の0)はいくつになる?

A. 0
B. 1
C. 答えが定義されない

「0の計算をしているから、答えは0」、「分母と分子が同じだから約分をして1」、「0個に分けたうちの0個分なんてない」などなど、いろいろな考えが出てきそうです。

 

さて、答えは「C. 答えが定義されない」です。

解説

冒頭で説明したとおり、分数はわり算に直して考えることができます。

つまり、0分の0は「0÷0」の計算を考えていることになります。

ここからは、簡単なわり算を順に考えてみましょう。

 

例えば、12÷4というわり算ですが、答えはもちろん3ですね。

このわり算をするために、九九を考えたのではないでしょうか。

「4の段の九九で答えが12になるもの」、つまり「4×◻️=12」の◻️に当てはまる数が、12÷4の答えということになります。

 

この考え方で、0を含んだわり算をやってみます。

0÷3という計算の答えは、「3×◻️=0」を考えれば良いということです。つまり◻️=0なので、0÷3=0となります。

 

次に3÷0を考えてみましょう。これも答えは0じゃないのと思われる方がいるかもしれませんが、実はそうではありません。

「0×◻️=3」に当てはまる◻︎を探さなければいけません。このような数は存在しませんよね。◻︎にどんな数を入れても、式が成り立ちません。

つまり3÷0というのは、答えが存在しないのです。

数学ではこのような答えが存在しない計算を「不能」といいます。

 

では最後に今回の問題である0/0を考えてみましょう。これは0÷0です。

「0×◻️=0」に当てはまる◻︎を考えましょう。「0×1=0」「0×2=0」「0×3=0」…◻︎にどんな数字を入れても正しい計算になります。

よって0÷0の答えはどんな数字でもいいのです。このように答えをひとつに定めることができない計算を「不定」といいます。

要するに、答えが定義されない計算式というわけです。

まとめ

0を含むわり算(例:0÷3)は、実は小学校3年生で学習をしています。そこで多くの方は「0のわり算は答えが0だ」と考えてしまっています。

しかし、「0でわる」(例:3÷0や0÷0)という計算は、そもそも数学的に定義がされていないのです。

簡単そうにみえて、奥が深い計算ですね!


文・監修:SAJIMA

日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」。