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「103×109」を暗算で解けますか? “100に近い数”同士の掛け算でも“簡単に解ける方法”を解説!

  • 2023.11.12
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2桁や3桁のかけ算ともなると、暗算では大変そうです。

そこで、今回は実生活での使える計算方法として「100に近い数同士のかけ算」の方法をご紹介します!

ぜひやり方を身につけて活用してみてください。

問題

次の計算をしなさい。
103×109

「×100」の計算であれば簡単にできそうですが、「100より少し大きい(小さい)」というだけで、途端に計算は難しくなります。

多くの方は、筆算や電卓を使って計算してしまいそうな問題ですが、コツを掴めば暗算でできてしまいます。

 

さて、まずは答えを確認してみましょう。

今回の答えは「11,227」です。

解説

「100に近い数のかけ算」ということで紹介していますが、計算の仕組み上はどのような数でも同じように計算が可能です。

しかし「暗算でする」という実用上、90〜110程度の数でのかけ算で使用するのがオススメです。

では、計算の手順を確認していきましょう。
(カッコ内は今回の計算の場合)

【手順1】
かけ算をする2つの数から、それぞれ100を引く。
(103-100=3、109-100=9)

【手順2】
「一方の数」と「(もう一方の数)−100」を足し、ゼロを2個つける
(103+9=112 → 11200)

【手順3】
手順1で求めた2つの数をかける。
(3×9=27)

【手順4】
手順2と手順3で求めた数を足す。
(11200+27=11,227)

いかがでしょうか。計算自体は簡単なたし算と九九しかしていません。

この問題は、どちらも100より少し大きい数でしたが、100より小さい数でも可能です。ただし、その場合はマイナスの数が出てくるので注意です。

 

もう一問やってみて確認しましょう。

次の計算をしなさい。
105×97

計算の手順は先ほどと同じです。
(カッコ内は今回の計算の場合)

【手順1】
かけ算をする2つの数から、それぞれ100を引く。
(105-100=5、97-100=-3)
※100より小さい数で計算しているので、ここでマイナスが出てきます。

【手順2】
「一方の数」と「(もう一方の数)−100」を足し、ゼロを2個つける
(105+(-3)=102 → 10200)

【手順3】
手順1で求めた2つの数をかける。
(5×(-3)=-15)

【手順4】
手順2と手順3で求めた数を足す。
(10200+(-15)=10,185)

答え:10,185

マイナスの数が出てくるので少し注意が必要ですが、手順はまったく同じです。

【補足】数学的な証明

以下では、今回の計算が成り立つ数学的な証明をしています。興味がある方は、ぜひ数式で確認をしてみてください。

2つの数を(100+a)、(100+b)とすると
(100+a)×(100+b)
=10,000+100a+100b+ab
=100(100+a+b)+ab
となり、計算の手順が正しいことが分かります。

a,bはマイナスの数でも成り立つので、100より小さい数でも同様の計算ができます。

まとめ

90〜110程度までの数のかけ算を暗算でできるというのは、とても便利ですね。

計算は一度習っただけで身につくものではないので、ぜひ何度も繰り返し練習をしてみてください!


文・監修:SAJIMA

日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」。