2桁や3桁のかけ算ともなると、暗算では大変そうです。
そこで、今回は実生活での使える計算方法として「100に近い数同士のかけ算」の方法をご紹介します!
ぜひやり方を身につけて活用してみてください。
問題
次の計算をしなさい。
103×109
「×100」の計算であれば簡単にできそうですが、「100より少し大きい(小さい)」というだけで、途端に計算は難しくなります。
多くの方は、筆算や電卓を使って計算してしまいそうな問題ですが、コツを掴めば暗算でできてしまいます。
さて、まずは答えを確認してみましょう。
今回の答えは「11,227」です。
解説
「100に近い数のかけ算」ということで紹介していますが、計算の仕組み上はどのような数でも同じように計算が可能です。
しかし「暗算でする」という実用上、90〜110程度の数でのかけ算で使用するのがオススメです。
では、計算の手順を確認していきましょう。
(カッコ内は今回の計算の場合)
【手順1】
かけ算をする2つの数から、それぞれ100を引く。
(103-100=3、109-100=9)
【手順2】
「一方の数」と「(もう一方の数)−100」を足し、ゼロを2個つける
(103+9=112 → 11200)
【手順3】
手順1で求めた2つの数をかける。
(3×9=27)
【手順4】
手順2と手順3で求めた数を足す。
(11200+27=11,227)
いかがでしょうか。計算自体は簡単なたし算と九九しかしていません。
この問題は、どちらも100より少し大きい数でしたが、100より小さい数でも可能です。ただし、その場合はマイナスの数が出てくるので注意です。
もう一問やってみて確認しましょう。
次の計算をしなさい。
105×97
計算の手順は先ほどと同じです。
(カッコ内は今回の計算の場合)
【手順1】
かけ算をする2つの数から、それぞれ100を引く。
(105-100=5、97-100=-3)
※100より小さい数で計算しているので、ここでマイナスが出てきます。
【手順2】
「一方の数」と「(もう一方の数)−100」を足し、ゼロを2個つける
(105+(-3)=102 → 10200)
【手順3】
手順1で求めた2つの数をかける。
(5×(-3)=-15)
【手順4】
手順2と手順3で求めた数を足す。
(10200+(-15)=10,185)
答え:10,185
マイナスの数が出てくるので少し注意が必要ですが、手順はまったく同じです。
【補足】数学的な証明
以下では、今回の計算が成り立つ数学的な証明をしています。興味がある方は、ぜひ数式で確認をしてみてください。
2つの数を(100+a)、(100+b)とすると
(100+a)×(100+b)
=10,000+100a+100b+ab
=100(100+a+b)+ab
となり、計算の手順が正しいことが分かります。
a,bはマイナスの数でも成り立つので、100より小さい数でも同様の計算ができます。
まとめ
90〜110程度までの数のかけ算を暗算でできるというのは、とても便利ですね。
計算は一度習っただけで身につくものではないので、ぜひ何度も繰り返し練習をしてみてください!
文・監修:SAJIMA
日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」。