指数表現は、大きな数を簡潔に表現するために便利な方法です。
しかし、これらの大きな数を比較する際に、どちらが大きいのかを直感的に判断するのは難しいことがあります。
では、具体的な問題を見てみましょう。
問題
3の30乗と5の20乗、大きいのはどっち?
3を30回掛けるとどうなるでしょうか?
また、5を20回掛けるとどうなるでしょうか?
普通に計算しようとするととても大変ですが、実はある方法を使うと、答えを簡単に導き出すことができます。
まずは答えを確認しましょう。
答えは「3の30乗」です。
解説
数の大小を比較するとき、2つの数の特定の部分を一致させると、答えがすぐに見えてきます。
今回は「指数」を基準に考えてみましょう。
3の30乗は、
=3×3×3×...×3
=(3×3×3)×...×3
=27の10乗
「3を30回かける」という部分を、「(3×3×3)を10回かける」と考えます。
つまり「27を10回」ということですね。
よって「3の30乗=27の10乗」ということです。
同様に考えると、
5の20乗は、
=5×5×5×...×5
=(5×5)×...×5
=25の10乗
「5を20回かける」という部分を、「(5×5)を10回かける」と考えます。
つまり「5の2乗=25の10乗」ということです。
3の30乗=27の10乗
5の20乗=25の10乗
どちらも10乗で表すことができたので、同じ10回のかけ算なら、27を10回の方が大きくなりますね。
したがって、大きいのは3の30乗ということが分かります。
まとめ
指数で表された数の大小関係を考える際、共通の基準を見つけて比較することがポイントです。
今回の問題では、3の30乗と5の20乗をそれぞれ別の形に変形して比較しました。
ちなみに、普通に計算すると、
3の30乗=205,891,132,094,649
5の20乗=95,367,431,640,625
2倍以上の差があることが分かりますね。
文・監修:SAJIMA
日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」。