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【ドラフト注目選手"高校生編"】指名が予想される球団も

  • 2023.10.24
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PIXTA

10月26日に開催されるプロ野球ドラフト会議。プロ入りを目指すアマチュア選手にとっての“運命の一日”が目前に迫っています。大学生に逸材が多いと言われている今年のドラフトですが、高校生にも将来が楽しみな大器や、高い完成度を誇る選手はひしめいています。

まず、今年の高校生で断トツの注目選手である佐々木麟太郎選手(花巻東)は、ドラフトで指名されるために提出する『プロ志望届』を出さずに、卒業後はアメリカの大学へ留学すると報道されています。史上最多、高校通算140本塁打を放ったスラッガーがドラフトで指名されないのはファンからすれば少し残念(?)かもしれません。しかし、「アメリカ留学」という決断とその先に見据えるであろう「メジャーリーグ」という目標に向け、佐々木選手の今後の活躍も期待したいところです。

今回は、ドラフトで指名が有力視されている、佐々木選手にも負けない「逸材」たちを厳選してご紹介します!

注目選手

前田悠伍(大阪桐蔭)

左投左打 投手

今年の高校生投手の中で“完成度の高さ”で言えば間違いなくトップと言えるのが高校野球界の名門・大阪桐蔭でエースを張った前田投手。左腕から繰り出されるストレートの最速は148キロ。スピードだけなら決して“超高校級”ではありませんが、チェンジアップ、スライダー、カーブといった切れ味鋭い変化球とのコンビネーション、さらには大一番でも内外にキッチリ投げ分けられる制球力を持っています。3年夏は大阪大会決勝で敗れ、甲子園出場はなりませんでしたが、9月に行われたU-18ワールドカップではU-18日本代表のメンバーとして3試合に先発して自責点わずか1。チームの世界一にも貢献しました。ドラフトでは上位指名が確実視され、左腕という希少性から「1位競合」の可能性もゼロではない逸材です。

指名が予想される球団:阪神、日本ハム、中日


東松快征(享栄)

左投左打 投手

大阪桐蔭の前田投手が“完成度ナンバーワン”なら、“ロマン度ナンバーワン”と言っていいのが東松投手。左腕から繰り出されるストレートの最速は152キロ。近年は150キロを超える高校生投手も決して珍しくなくなってきましたが、“左投手で150キロ超え”はやはり魅力的。直球の威力だけであれば高校生トップレベルなのは間違いありません。身長は178センチと決して大柄ではありませんが、がっしりとした体格からも十分馬力は感じられます。先発候補としてはもちろん、プロではリリーフ適正もありそうなパワーピッチャー。ドラフトでは地元の中日をはじめ、左腕&若手投手が不足している球団が上位で指名する可能性は十分あるでしょう。

指名が予想される球団:中日、ヤクルト、ソフトバンク


真鍋慧(広陵)

右投左打 内野手

花巻東の佐々木選手と並んで、早い段階から全国的に注目を集めていたスラッガー。189センチ、92キロという体格は高校生どころかすでに“日本人離れ”しており、フィジカル面も高校生のレベルを超越していると言います。高校通算62本塁打のパワーから、メジャーリーグのスーパースター、バリー・ボンズ選手に倣って“広陵のボンズ”の異名を持つ真鍋選手ですが、ピッチャーとしても最速142キロを誇る強肩の持ち主。走攻守すべてでレベルの高いパフォーマンスを見せており、大谷翔平選手や柳田悠岐選手といった「アスリート型」の選手として将来性も高く評価されています。甲子園には春夏通じて3度出場し、本塁打こそ出ていませんが評価は不変。地元の広島はもちろん、「将来の4番候補」として多くの球団が獲得を狙っているはずです。

 指名が予想される球団:広島、ソフトバンク


鈴木叶(常葉大菊川)

右投右打 捕手

プロの世界でも慢性的に不足している捕手では、鈴木叶選手も注目。二塁送球タイムは最速1.8秒台とプロでもトップレベルの数値。捕球からスローイングまでの動きもスムーズで、打者としても2年生から強豪・常葉大菊川の主軸を任される存在。やわらかなキャッチングも魅力で、ドラフトでは上位~中位での指名が濃厚。特に将来の正捕手不足に悩む球団は喉から手が出るほど欲しい存在のはずです。

指名が予想される球団:楽天、中日、ソフトバンク


佐倉侠史朗(九州国際大付)

右投左打 内野手

花巻東の佐々木、広陵の真鍋と並んで『高校生スラッガーBIG3』と称されるのが九州の怪物・佐倉選手。184センチ、110キロという「いかにもパワーヒッター」という風貌から、高校通算31本塁打をマーク。パワフルな打撃はもちろん、器用さも兼ね備えており、きっちりとコンタクトする能力にも秀でています。同じ九州出身でシーズン56本塁打のNPB日本人記録を持つ村上宗隆選手を目標としており、「第二の村上」の呼び声も。「数年後には一軍でクリーンアップを打てる」イメージが沸くタイプの選手だけに、ドラフトでも上位での指名が有力視されています。

指名が予想される球団:オリックス、ヤクルト、日本ハム、ソフトバンク


今回紹介した5選手以外にも、今年の高校生には逸材が多くいます。大学生や社会人の選手と比較して、高校生は「伸びしろ」の見極めが重要になります。もしかしたら、ここで紹介した以外の選手が上位で指名されて、数年後にはスーパースターに……なんてこともあるかもしれません。まずは、どんな選手たちが指名され、プロへの門戸を叩くのか、10月26日のドラフトをお楽しみに!


花田雪(Kiyomu Hanada)

1983年、神奈川県生まれ。編集プロダクション勤務を経て、2015年に独立。ライター、編集者として年間50人以上のアスリート・著名人にインタビューを行い、野球を中心に大相撲、サッカー、バスケットボール、ラグビーなど、さまざまなジャンルのスポーツ媒体で編集・執筆。著書に『あのプロ野球選手の少年時代』(宝島社)『オリックス・バファローズはいかに強くなったのか』(日本文芸社)がある。


※記事内における情報は原稿執筆時のものになります

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