「倍数」というのは、小学5年生で習います。
その言葉の通り、ある数を何倍かした数のことを倍数というわけですが、数が小さければ九九を考えるだけで見分けることができます。
しかし、大きな数の倍数を見分けるにはどうすればいいのでしょうか。
問題
次の中から9の倍数を選びなさい。
A. 1234
B. 2345
C. 3456
D. 4567
今回は「9の倍数」を選ぶという問題です。
地道に考えるなら、「9のわり算をして、割り切れるかどうかを確かめる」という方法でしょう。
しかし、4桁のわり算をするのは少し大変そうですね。もっと簡単な方法はないでしょうか。
さて、今回の答え、9の倍数となるのは「C. 3456」です。
(3456÷9=384となり、割り切れます。)
解説
実は、いくつかの数については「倍数の判定法」というものがあります。
おそらく、皆さんが意識せずに使っているのは「2の倍数」と「5の倍数」の判定法ではないでしょうか。
例えば、1234が2の倍数であって、5の倍数でないというのは、すぐにわかりますよね。
下一桁を見ているのです。1234であれば一の位が「4」で偶数なので2の倍数。そして5の倍数となるのは一の位が0または5の時だけです。
このように、2の倍数と5の倍数については、多くの方が判定法を知っています。
では、9の倍数はどのように判定するのかというと、「各位の数を足して、その数が9の倍数なら、もとの数も9の倍数」となるのです。
今回の問題で確かめてみましょう。
A. 1234であれば
1+2+3+4=10
となり、10は9の倍数でないので、1234も9の倍数ではありません。
B. 2345も同じく
2+3+4+5=14
となり、14は9の倍数でないので、2345も9の倍数ではありません。
C. 3456のときは、
3+4+5+6=18
となり、18は9の倍数なので、3456は9の倍数となります。
D. 4567は
4+5+6+7=22
となり、22は9の倍数ではないので、4567は9の倍数ではありません。
いかがでしょうか。これが「9の倍数の判定法」です。
これを使えば、大きな数でも倍数かどうかの確認がとても楽になりますね。
まとめ
今回は9の倍数の判定法として紹介しましたが、3の倍数もまったく同じ手順で確認することができます。
各位の数を足して、それが3の倍数になれば、元の数も3の倍数というわけです。
「この数字、割り切れるかな?」と思ったら、まずはこの方法で倍数かどうかの確認をしてみましょう!
文・監修:SAJIMA
日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」。
編集:TRILLニュース