小学2年生で習う「九九」。中には苦労をして覚えたという記憶のある方もいるでしょうか。
九九は、1×1から9×9までの81個の計算です。
実は、19×19までの計算は、コツさえ掴んでしまえば九九のようにパッと計算できるようになるのをご存知でしょうか。
今回はそんな「計算」に関する問題です。
問題
16×13を計算しなさい。(5秒)
もちろんこの計算自体は、筆算をすれば求めることができるでしょう。
しかし、5秒で計算するとなると、少し難しいかもしれません。
まずは答えを確認しておきましょう。
答えは208です。
解説
ここで紹介する計算方法は11×11から19×19の計算に利用できるものです。
慣れないうちは難しく感じるかもしれませんが、練習をすれば確実に計算が早くなります。
計算の手順は次の通りです。
※カッコ内に書いている計算は、今回の16×13の問題の計算方法です。
【手順1】
10とふたつの一の位の数を足して、これを「上の位」とする。
(10+6+3=19)
【手順2】
一の位どうしをかけ算して、これを「下の位」とする。
(6×3=18)
【手順3】
「上の位」と「下の位」は、ひとつずらして、たし算をする。(下図)
答え=208
いかがでしょうか。計算自体は簡単なたし算とかけ算しかしていません。
本当にそうなるの?と思われる方は次の練習問題にも挑戦してみてください。
練習問題
(1)14×17
(2)12×18
(3)19×11
ここでは(1)のみ解説します。
【手順1】
10とふたつの一の位の数を足して、これを「上の位」とする。
10+4+7=21
【手順2】
一の位どうしをかけ算して、これを「下の位」とする。
4×7=28
【手順3】
「上の位」と「下の位」は、ひとつずらして、たし算をする。
答え=238
答え
(1)238
(2)216
(3)209
まとめ
この計算をマスターすれば、19×19までの計算は暗算でできてしまいます。
もちろん一度聞いただけでマスターできるものではないので、是非練習をして、活用してみてください。
【補足】数学的な証明
以下では、今回の計算が成り立つ数学的な証明をしています。興味がある方は、ぜひ数式で確認をしてみください。
今回は、11×11から19×19までの計算、つまり「十の位は1」となる数どうしのかけ算です。
この2つの数を「10+a」「10+b」とします。
このとき
(10+a)(10+b)
=100+10a+10b+ab
=10(10+a+b)+ab
この計算の(10+a+b)が【手順1】の計算、abが【手順2】の計算になっています。
文・監修:SAJIMA
日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」。
編集:TRILLニュース