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あなたは本当に答えられますか…?3のトランプをひく確率は?

  • 2023.7.26
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数学の授業で習う「確率」の問題には、いくつかのパターンがあります。よくあるのは、サイコロの問題、コイン投げの問題、そしてトランプの問題など。

確率の考え方はどれも同じなので、基本をしっかりと押さえていれば、解けるはずです。

今回は、トランプに関する確率の問題に挑戦してみましょう。

問題

ジョーカーを除く52枚のトランプから1枚をひくとき、ひいたカードが3である確率を求めなさい。

まず、1セットのトランプは52枚あります。この内訳を確認しておきましょう。

「A、2、3、4、5、6、7、8、9、10、J、Q、K」の13枚のカードに対して、ハート、ダイヤ、スペード、クローバーの4種類のマークがそれぞれあります。

つまり、カードの枚数は13×4=52ということです。

今回の問題では、この52枚のうち、「3のカード」をひく確率を求めます。

 

 

さて、答えは「1/13」です。

解説

確率は、以下のような分数で計算することができます。

(その事柄が起こる場合の数)/(起こりうるすべての場合の数)

分母の「起こりうるすべての場合の数」というのは、今回の場合、52枚のカードがあるので、52通りです。

分子の「その事柄が起こる場合の数」というのは、「3のカードをひくこと」です。

3のカードは、ハート、ダイヤ、スペード、クローバーの4枚ありますね。つまり4通りです。

よって求める確率は4/52

あとはこの分数の約分を考えます。少し難しいようにも感じるかもしれませんが、52という数が13×4で計算したことを思い出すと、4で割れることは簡単に分かります。

分母分子を4で割って約分をすると「1/13」ということになります。

 

「この問題は簡単だった!」という方は、次の問題にも挑戦してみてください。

ジョーカーを除く52枚のトランプから1枚をひくとき、ひいたカードが絵札(J,Q,K)、もしくはスペードである確率を求めなさい。

考え方は同じです。分母の「起こりうるすべての場合の数」は52通りで変わりません。

分子となる「ひいたカードが絵札(J,Q,K)、もしくはスペードとなる」のが、何通りあるのかを考えましょう。

 

絵札は12枚ありますよね。
ハートのJ,Q,K
ダイヤのJ,Q,K
スペードのJ,Q,K
クローバーのJ,Q,K

スペードは、AからKまでの13枚。

ということは、「絵札(J,Q,K)もしくはスペード」というのは、12+13=25でしょうか。

実は25通りというのは誤りです。何が間違っているでしょうか。

 

「絵札12枚」「スペード13枚」という数え方は、ダブって数えてしまっているものが3枚あるのです。

絵札12枚のなかで「スペードのJ,Q,K」を数えています。なので、次にスペードの枚数を数えるときには、J,Q,Kを除いた10枚をカウントしないといけません。

つまり、「ひいたカードが絵札(J,Q,K)、もしくはスペードとなる」のは、22枚です。

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求める確率は22/52。約分をして11/26ということになります。

まとめ

確率を求めるには「数え上げる」ということが必要ですが、ときには数え方に注意が必要な場合があります。

同じものを2回数えていないか、数え忘れているものはないか。単純なようで、実は奥が深いのです。

このような簡単そうに見える数学の問題を通して、思考力を養っていきましょう。


文・監修:SAJIMA

日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」。

編集:TRILLニュース編集部