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30代突入時は号泣!40代では笑顔! 【いとうあさこさん】の年齢の壁の破り方とは?

  • 2019.10.31
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いとうあさこさんのTRILLスペシャルインタビューの第3回目。
有名高校を卒業後、19歳で家出、芸人の道へと進み、40までは本当に仕事がなかったと語る、“世間の常識”とは違う、“自分の価値観を大切にする”いとうあさこさん。いわゆる年齢の壁を感じさせない49歳あさこさんの生き方とは?

――あさこさんは小学校から高校までずっと雙葉という名門のご出身ですよね。

「雙葉は夏休みが1ヶ月半とかあったんですけど、あけるのが待てないほど学校は好きでした。思春期の自分は、“ヒロイン病”って呼んでるんですけど、『なぜ親は私の気持ちをわかってくれないの』みたいなポエムを日記にしたためる日々を過ごしていました。そんな時、尾崎豊さんの楽曲に出会いまして」

――尾崎豊さんの詞は青春時代には刺さりますね。

「半分ネタ、半分本気みたいな感じですけど(笑) 『自由っていったいなんだい』って歌われたら、『自由っていったいなんだ』って思うわけですよ。大人が敷いたレールを歩いてる自分ってなんなんだよって。で、19歳で家出をするんです。私の人生、ずっと芝居がかってる(笑)」

――思い切った決断を。

「内緒でバイトしてお金を貯めて。家を借りるのも塾の先生に保証人になっていただいて。新築だけど建て付けの悪い1畳半ぐらいのワンルームアパートを7万で借りるという、ひどいぼったくり物件に遭いました。よくあんな家出をしたなって、今思うと怖いですね。自分が親だったら、と想像するとゾッとする。ホント遅い反抗期でした(笑) 多分、うちの学年で大学行かなかった人、いなかったんじゃないかな。もちろん家出した人も(笑)」

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人に合わせるってすごく大変だし努力もいる。自分が思う方向に行ったとしても、どちらも結局は自分で選んでる道だと思う

――周りがみんな大学に行くのに私だけ行かないなんて…とは思わなかったんですね。

「思わなかったです。でもみんなが行くから行こう、みんなに合わせた方が楽だからそうしようとか、それって決して悪いことじゃないというか。だって人に合わせるってすごく大変だし努力もいるから。逆に言うと私から見たらそっちの方がえらいというか、パワーがいると思います。私は人に合わせるより自分が思う方向に行く方が楽だと思うから、そっちの道を選んで。結果、いろいろ苦労はありましたけど。どちらの道も結局は自分で選んでる道だと思うので、私は同じだと思います」

――芸人になっていなかったら、どういう人生だったのかなって考えたりしますか?

「昔はアイドルを目指してたわけで(笑) ミスセブンティーンとかホリプロスカウトキャラバンとか履歴書出して――本当によく言ってるんですけど――まだ返事が来ないっていう(笑) でも気付いたらそんな芸能界の片隅に紛れ込ませていただいて、いまだに不思議。ただ12年間も日の目を見ず、よくやめなかったね。って言われるんですけど、自分でもわからない。昔、松屋で深夜のバイトしていて。9キロある肉の搬入をするので、40歳超えたらこの仕事はキツイぞとは思ってたんですよね。たまたまそうはならなかったですけど、私はいろんな分かれ道をきっとフラ~ッと来ているんだろうなと思います」

――途中でもう諦めようみたいなことは思わなかったんですか?

「そうなんですよ。でも思わないってことも問題じゃないかと思うんですけどね(笑)  実際、男芸人の兄さん方にもよく聞かれます。女芸人が数少ない中、例えば後輩のハリセンボンはすぐ売れたんですけど、『うんうん、面白いもんな』と思って見ていて、別に『くそ、私も』とか1ミリも思わなかったんです」

――むしろ仲間の活躍を嬉しく思うみたいな?

「光浦(靖子)さんが当時おっしゃっていたのが『小さなどんぐりをみんなで分けあって食べてる集団』って。女芸人は少数民族でしたから。誰かと被るみたいな感覚もなかったし。それぞれが個人で楽しくやってたんですよね」

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――あさこさんは、とても元気でハツラツとされてますが、年齢を重ねていくことに対して、どういうふうに考えていらっしゃいますか?

「それも何も考えてないって言っちゃうとダメですけど。最近言われる“美魔女”も、努力と時間とお金と根性を全て使って、すごいと思いますが、私はそこは何も思わないんです。だって年は取るから、その時のそのままでいいかなって。でもひとつだけ、私が老いでちょっとイヤなのが白髪です。まだあまりないので、一度も染めてはいないんですけど、でもゼロじゃないから、染めどきがわからない(笑)」

――今は多様性の時代ですし、染めない方もいらっしゃいますね。

「この歳だったら白くても変じゃないんですけど。ただこの今の元気さと白髪、合わなくないですか?(笑)  これからどうなるかわからないですけど、もしかしたらいつか髪の色だけ年齢に歯向かうかもしれません(笑)  他は、身体が痛いとか疲れていても、しょうがないと思っています。もう49っていうのは理解してるので、若くなりたいとかいうのは言わないですね」

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「あああ、30歳怖い!」って、なる瞬間、一人で泣きました

――昔からよく30歳の壁とか40歳の壁とか言うじゃないですか。年齢によってそういう意識はないですか?

「私の時って、“30歳で独身はどうか”的な時代だったんですよ。『29歳のクリスマス』とかいうドラマがあって、女はクリスマスケーキと一緒で、24までに売れて、25でギリで、26で売れ残りみたいな時代。だから30になる瞬間、めっちゃ怖かったんですよ。あんまり怖いんで、伊勢丹でちょっといいおつまみをいくつか買って、その頃の私にしてはいい赤ワイン――と言っても1500円くらいのを2本買って、それを飲みながら、少しでもテンションあげようと思って、ジャッキー・チェンさんの『プロジェクトA』を見てたんです。夜10時くらいから見てたんで、エンディングのNGシーンの頃にちょうど12時で、30歳になったんですよね」

――お友達に連絡したりもせず?

「その時お付き合いしてた殿方がいたのに来てもくれず。もしかしてサプライズがあるんじゃないかと思っておつまみも多めに買ったのに誰も来なくて(笑) もう(エンディングの)ジャッキーの歌が始まっちゃったから、どうしようって思ったら涙が止まらなくなって、震えだして、『あああ、30歳怖い!』って(笑) でも32、33くらいからアラサーという言葉を人生の先輩方が作ってくださって、生命権みたいなのが広がって。意外に30代良くないか?  と。経験値と体力がどっちも一番ある時期ですよね。これから経験値は上がるけど体力は落ちる、若い時は経験値が足りなくて体力が有り余る。今もしかしてすごいバランスのいい時期なんじゃないかと思ったんです」

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今、鬱々としている方いらしたら、オススメの40歳の壁の破り方があるんです(笑)

――意外と30代、いいぞ、怖くないぞと。

「30歳になる時にワーッて泣いたのはその12時またぎの時のみだったんですけど、その経験があったから40歳になった年から、毎年、誕生日会っていう名目で単独ライブをやってるんです。その40の時に、2メートル×2メートルの竹ひごで枠を作ってそこに40って書いた大きな半紙を貼って、松田聖子ちゃんの『Precious Heart』っていう曲に合わせて、その紙を破って出てきたんです。『40の壁を破りました!』って言ってバンッて出ていった時、小さい劇場の100~200人くらいのお客さんが、『ワー!』って沸いてくれて。なんだかわからないけどパンッて弾けたんです。40代は本当にそれで壁を破ったみたいなところあるので、もし今、鬱々としている方いらしたら、ぜひやってみてください(笑)」

――え、楽しそうですね。やってみたくなりました(笑)

「『Precious Heart』は最初は静かなイントロなんでそこは待っていただいて、ジャッジャ、チャラララーって始まった時にバリーンッて割ると、気持ちいいのでオススメしたいです(笑) 割り方がちょっと難しいので手を合わせて尖ったところを作って割ると破れやすいです。でも、まずそういうことをやろうと思ってる時点で絶対楽しい人生なんで、もう大丈夫ですよ、やらなくても。これやろうかな?  と思った時点で、十分楽しい未来が待ってると思いますよ!」

 

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Movie, Photography & Design:dely
Writing:Rika Iwasaki
Edit:TRILL編集部

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