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『ファーザー マザー シスター ブラザー』ルカ・サバト×笠松将、互いの魅力をクロストーク「危険性と優しさが共存」

  • 2026.11.7

インディ映画の伝説的存在、ジム・ジャームッシュ監督の最新作『ファーザー マザー シスター ブラザー』が11月20日(金)より公開される。これを記念して、3部構成の物語の最終話にあたる「SISTER BROTHER」篇篇で主演を務めるルカ・サバトが来日。11月6日に行われた試写会では、上映前にトークイベントを実施し、サバトと彼からラブコールを受けた笠松将が登壇。撮影時のエピソードや、お互いの演技に対する見解を語り合った。

【写真を見る】Instagramフォロワー数380万人!ファッションインフルエンサーでもあるルカ・サバトが来日

「いつか現場でお会いしたいですね」と語り合ったルカ・サバトと笠松将 撮影:ソムタム田井 (C)2024 Vague Notion Inc. All Rights Reserved.
「いつか現場でお会いしたいですね」と語り合ったルカ・サバトと笠松将 撮影:ソムタム田井 (C)2024 Vague Notion Inc. All Rights Reserved.

インディペンデント映画界を切り拓き、独自のスタイルを貫き続けるジム・ジャームッシュ監督が6年ぶりに手掛けた『ファーザー マザー シスター ブラザー』は、第82回ヴェネチア国際映画祭で最高賞である金獅子賞を受賞した話題作。描かれるのは、3つの街でくり広げられる、完璧とはかけ離れた家族たちの3つの物語。1話目の舞台は、ニューヨークを対岸に眺めるニュージャージー。登場人物は、隠居するどこか食えない父と、ひさびさに顔を合わせる子どもたち。2話目の舞台は、伝統という亡霊が息づく古都ダブリン。生真面目な母が主催する、年に一度のアフタヌーンティーに2人の娘が集うところから物語は始まる。そして3話目の舞台は、愛と自由の街パリ。亡き両親の面影を辿る、双子の兄妹の物語で、サバトはこの3話目に出演している。

【写真を見る】Instagramフォロワー数380万人!ファッションインフルエンサーでもあるルカ・サバトが来日 撮影:ソムタム田井 (C)2024 Vague Notion Inc. All Rights Reserved.
【写真を見る】Instagramフォロワー数380万人!ファッションインフルエンサーでもあるルカ・サバトが来日 撮影:ソムタム田井 (C)2024 Vague Notion Inc. All Rights Reserved.

ちなみにサバトは、ファッションインフルエンサーとしてInstagramでは380万フォロワーがおり、過去たびたびメルセデス・ベンツとのコラボやDJ、モデル活動で来日経験がある。ジム・ジャームッシュ監督作品は『デッド・ドント・ダイ』(19)に続き、2度目の起用となる。

一方の笠松は、早くから海外での活動を視野に入れ、日米合作や日韓合作の作品に出演するなど、ワールドワイドに活躍する国際派俳優。韓国映画『剃刀』で主演を務めることも発表されたばかりだが、サバトは笠松が出演する人気ドラマシリーズ「TOKYO VICE」の大ファンだそうで、そんなサバトからのラブコールを受け、今回の登壇が実現した。

イベントでは、まずはサバトが一人で登壇し、訪れた来場者にお礼を兼ねた挨拶を述べる。「やっと日本の皆さんに観ていただけるということで、僕もワクワクしています。日本の方は非常に物事を大事にされていると言いますか、細かいところにまでこだわられて。歴史であったり、伝統的なものをすごく大事にされますよね。ジム・ジャームッシュ監督も、ディテールにこだわられるすばらしい監督で、日本の文化に通じる考え方をされる方なので、そういった意味でも今作は絶対に皆さんの心に響くと思います」。

日本で『ファーザー マザー シスター ブラザー』を公開できることがうれしいと語るルカ・サバト 撮影:ソムタム田井 (C)2024 Vague Notion Inc. All Rights Reserved.
日本で『ファーザー マザー シスター ブラザー』を公開できることがうれしいと語るルカ・サバト 撮影:ソムタム田井 (C)2024 Vague Notion Inc. All Rights Reserved.

ジャームッシュ監督作品への出演は本作で2回目ということで、続いてMCからは「『デッド・ドント・ダイ』出演時の思い出を聞かせてください」といった質問が投げかけられる。これに対し、サバトは「自分にとっては映画デビュー作になりますが、まさにクレイジーな経験だったとしか言いようがないですね。私は映画の現場については詳しくありませんが、ジム・ジャームッシュ監督のことはもちろん存じていましたし、彼の手掛けた映画もたくさん観ていたので、お話をいただいた時は即座に“やります”と答えました。そうして撮影現場に行ったら、ビル・マーレイをはじめ、アダム・ドライバー、クロエ・セヴェニー、スティーヴ・ブシェミ、ティルダ・スウィントンなど、これまでいろんな映画で観てきた俳優たちが実際にそこにいて。それがショッキングでした」と回答。

さらに、本作についても、「監督といっしょに仕事をするのはこれで2回目ですが、今回は前作よりも大きな役どころを任せていただいて。それがある意味、ストレスといいますか、重圧を感じましたね。そして今作でも、すばらしいキャストの皆さんとスクリーンを共有させてもらって。はたして自分に、この役を務められるか…という不安もありましたが、監督は“ルカ・サバトならできる”と思って声をかけてくださったので、その期待に応えたいという想いで、取り組ませていただきました」といった意気込みを聞かせてくれた。

『ファーザー マザー シスター ブラザー』出演時のエピソードを語るルカ・サバト 撮影:ソムタム田井 (C)2024 Vague Notion Inc. All Rights Reserved.
『ファーザー マザー シスター ブラザー』出演時のエピソードを語るルカ・サバト 撮影:ソムタム田井 (C)2024 Vague Notion Inc. All Rights Reserved.

そうしてイベントが中盤に差し掛かると、サバトの呼びかけで笠松も登壇。まずは壇上で握手を交わし、笠松が『ファーザー マザー シスター ブラザー』の感想を語る。「すごく贅沢な映画体験をさせていただきました。僕たちのライフって、すごくビジーじゃないですか。だけどこの映画は、僕たちをスローダウンさせてくれると言いますか。この瞬間はゆっくり過ごしていいんだよ、というふうに言ってくれているように思えて、極上の映画体験、贅沢な時間を過ごさせていただきました。ルカさんもカッコよくて、お芝居も素敵で、大好きになりました」。

ワールドワイドに活躍する国際派俳優の笠松将 撮影:ソムタム田井 (C)2024 Vague Notion Inc. All Rights Reserved.
ワールドワイドに活躍する国際派俳優の笠松将 撮影:ソムタム田井 (C)2024 Vague Notion Inc. All Rights Reserved.

一方のサバトも「TOKYO VICE」での笠松の芝居に触れすばらしいと絶賛。笠松のどういったところに魅力を感じるかと聞かれると、「役者が演じていることを忘れてしまって、そのキャラクターを実在する人物だと思わせてしまう。この“ずば抜けた演技力”に尽きますね。『TOKYO VICE』で彼が演じた佐藤という役は、怒りや弱さ、脆さといった、人間的な側面が多分にある人物なんですけど、ほかのキャラクターには決してそれを見せない。言葉やジェスチャーではなく、目の芝居だけで、そうした内面を表現するんですけど、これってめちゃくちゃ複雑だと思うんですよ。こんなにレベルの高い演技ができる役者は滅多にいないので、彼のことは心からリスペクトしています」と答える。

互いの演技について見解を語るルカ・サバトと笠松将 撮影:ソムタム田井 (C)2024 Vague Notion Inc. All Rights Reserved.
互いの演技について見解を語るルカ・サバトと笠松将 撮影:ソムタム田井 (C)2024 Vague Notion Inc. All Rights Reserved.

これを受けて笠松も、サバトの演技を「危険性と優しさが共存していて、本当にパワフル。こんな表現があったのかと感銘を受けました」と絶賛。そうして最後に「いつか現場でお会いしたいですね」と話しつつ、再び固い握手を交わし、トークイベントは終了した。

取材・文/ソムタム田井

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